日産ノートが並み居る競合車の頂点に立てた理由 日本カー・オブ・ザ・イヤー2021-2022選出の裏側

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例年だと自動車メーカー担当者/実行員/選考委員が一堂に会して、独特な緊張感が漂う中で1人ひとり点数を読み上げて開票が行われていたのだが、昨年に続いてオンラインでのライブ配信となった(一般の人も含めて最大で約3000人が視聴)。今年も昨年同様に開票はアイウエオ順で行なわれたが、過去にないほど選考委員の配点がバラバラだったこと、さらに途中経過をいっさいに公表しなかったことなどから、最後までどのモデルが選出されるかわからない……と、別の意味で緊張感があった。

ライブ配信では60人の選考委員の配点表と10点を入れたモデルの選考理由が映像で流されているが、COTYのウェブサイト(http://www.jcoty.org/result/)には文字での選考理由も掲載されているので、そちらも是非見ていただきたい。

筆者の配点は?

ちなみに筆者の配点と10点を入れた選考理由は下記である。

・GR86/スバルBRZ 10点
性能アップだけでなく「走りの純度」を高めた2代目としての進化度、同じ素材を使いながらも明確に異なる2台の走りの「味付け」、初代以上に1チームで進められた開発による「競争と協調」、そして何よりも電動化/電動化に向けた時代に「アフォーダブルなFRスポーツカー」を次の世代にシッカリと繋げた事を高く評価しました。
・日産ノートシリーズ 5点
・三菱アウトランダーPHEV 5点
・トヨタMIRAI 3点
・ホンダヴェゼル 2点

ここからは今回の結果を冷静に分析していきたいと思う。今年の前半はニューモデルが少なく、早い段階で発売された日産「ノート」とホンダ「ヴェゼル」が本命だと言われていたが、後半にかけてニューモデルが続々登場した事で混戦模様に。投票後に何人かの同業者と話をしたが「今年ほど迷った年はない」という意見がほとんどだった。

それは配点にもシッカリ表れており、10点を入れた選考委員はノートシリーズが14人、GR86/BRZが14人、ヴェゼルが5人、アウトランダーPHEVが11人と僅差。一方、1点も入れなかった選考委員の数はノートシリーズが6人、GR86/スバルBRZが15人、ヴェゼルが10人、アウトランダーPHEVが24人と、ここでの差が総得点の差となった。

次ページ多くの選考委員が「いいクルマ」と判断したモデルが受賞
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