「教育虐待の予兆」親が言いがちな3つのフレーズ 中学受験で見える「親自身の人間的未熟さ」

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逆に言うと、子どもが自ら育っていこうとする力は、とても大きなものです。もし親が教えられないことがあったとしても、本当に必要なことであれば、子どもは親以外から、必ずそれを学んできます。それが「ご縁」です。その「ご縁」を信じることも、親の役割の1つではないでしょうか。

子どもにイライラしてしまう時の対処法

深刻な教育虐待に至らないまでも、子どもに期待してしまうのは、親として当然のことです。期待するがゆえに、つい小言を言ってしまったり、高い目標を掲げさせてしまうこともあります。子どもに対して「なんでそんなことができないの?」「なぜ、やる気がないの?」などの思いが募り、感情が高ぶったときは、自分は「溺れている」んだと思ってください。

海にドボンと投げ出されたとき、大事なのは、とにかく口を閉じることです。 

そのうえで、子どもに何か伝えたいと思ったら、言葉にする前に2つのことをチェックしましょう。1つは、「自分の失望や不満をただ単にぶつけているだけではないか」ということ。2つめは「自分の思い込みの押し付けではないか」ということです。この2つに当てはまらず、それでも伝えるべきことなら、次は伝え方を吟味しましょう。

今すぐに子どもが理解しなかったら、本当にその子の人生がだめになるほどのことなのか? 子どもが前向きに「ああ、やってみよう。変えてみよう」と思える伝え方になっているか? この2つを吟味しましょう。これだけのプロセスを経ていれば、出てくる言葉は、だいぶ角がとれてきます。たとえ核心を突かれるようなことを言ったとしても、子どもは傷つきにくいと思うのです。

大手中学受験塾のカリキュラムは、多くの子どもにとっては過剰スペックの勉強をさせられているというのが現実だと思います。時には、そこから守ってあげることも親の役目です。「中学受験の現実はそんなに甘くない」とおっしゃる方もいると思いますが、拙著『ルポ教育虐待』やさまざまなweb媒体で紹介した事例のように、中学受験が終わっても心の傷が癒えないケースをたくさん見聞きしてきたことも、僕にとっては「現実」です。

そうしたリスクをとってまでやらせなければならない中学受験はないと思う。子どもが傷つくか傷つかないかの瀬戸際まで攻めるチキンレースに加わる必要もないと思うんです。

もっと素直に、子どもが生き生きしている状態でできる範囲の勉強にとどめて、入れる学校に堂々と入ればいい。

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