ものづくり・もの売り「以外」の利益をどう取るか 常識外の価値獲得への3つの視点と8つの論理

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これら価値獲得のパターンは「すでにできあがった完成品」ですが、変化の激しい今、誰かの作った価値獲得に飽き足らず、経営者が舵を取り、自分たちの力で革新的な価値獲得を生み出し、飛躍的な発展につなげてほしいと思っています。

価値獲得を生み出す利益ロジック

その大きなヒントになるのが、価値獲得の作り方を考えるうえでベースになる「利益ロジック」です。

(出所)『収益多様化の戦略』の記述をもとに作成

すべての価値獲得は、

・誰から儲けるのか?(Who)
・どのプロダクトで儲けるのか?(What)
・いつ利益を回収するのか?(How)

を考え、組み合わせて設計されており、これを価値獲得のWho-What-Howと呼んでいます。

最終的に期待水準以上の事業利益を得るために、Who-What-Howそれぞれの質問の答えとして得られる選択肢をどのように組み合わせるのか。これが、新たな価値獲得を生み出す要になります。

儲ける支払者を考える「誰から?」という質問の答えは、「主要顧客から期待水準以上の利益を獲得する」というのが望ましい答えですが、さらに儲ける支払者を見つけて、さらに多くの利益を取りに行くやり方もあります。

あるいは、さらに儲ける支払者から利益を取れるならば、主要顧客を儲けない支払者に設定して、母数となるユーザーを増やすこともできます。結果として、期待水準以上の利益を得られればよいので「損して得取る」方法が実現できるはずです。

次ページWho-What-How3つの質問とそれぞれ2通りの答え
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