産業リサーチ(電力) 独占崩れても10電力体制は不変

1951年以来続いてきた日本の電力供給体制は、世界に例のないものだった。東京電力を頂点とする民間企業10社が割り当てられた地域内での電力小売りを独占してきたのだ。
 これが高コスト体質を温存しているのではないかという問題意識から、旧通産省の主導で小売りの自由化が2000年から開始された。同年から、特別高圧(2000キロワット以上)の小売りが自由化され、大型工場や大型ビルの入札で、商社系や大手メーカー系の新規参入者が電力会社に勝つケースが出始めたのである。
 今後、2004年、2005年と段階的に自由化範囲は50キロワット以上まで拡大される見通しだ。最終的に、家庭用まで含めた全面自由化まで検討課題になっている。実現すれば、固定電話におけるマイラインのように、個人が電力会社を選べるようになる。
 ただ、新規参入者の電源は不足しているうえ、電力を消費者に届けるためのネットワークも既存電力会社に全面的に依存せねばならない。政府の強力な介入がない限り、新規参入者が電力業界の勢力図を大きく変えるのは期待薄だ。

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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