話をちゃんと聞かない人が頼られるはずもない訳 「ねえ、私の話聞いてる?」の喧嘩はなぜ起こるか

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さて、ではここで、これまでの経験を振り返って、「この人の話は面白かったなあ」「あの人は話し上手だったなあ」とあなたが思う人のことを、思い出してみてください。

テレビの人気芸人、飲み会の場でみんなを笑わせる人、職場のプレゼンテーションで周りの人を1人残らず納得させる人、思わず時間を忘れて話に聞き入った人。

こうした人は印象に残りやすいので、過去を遡ると、誰もが数多くの人を思い出すことができるのではないでしょうか?

さて、では次に、「この人は聞き上手だったなあ」と思える人を思い出してみてください。

「この人に聞いてもらうと、つい話しすぎちゃった」

「この人は自分の話をしっかりと聞いてくれた」

と思える人です。

さて、いかがでしょうか。

話し上手な人は簡単に思い出すことができても、聞き上手な人はかなり記憶を掘り起こしてみないと思い出すことができなかったのではないでしょうか?

そうです。

それくらい聞き上手な人というのは数が少ないのです。

安心感からすべてが始まる

2020年の初頭に始まった新型コロナウイルスの大パニック。間違いなく歴史の教科書に載るであろうこの一大事は、私たちの想像をはるかに超える長期戦になり、世の中に大きなダメージを与えました。

こうした背景も含め、私たちの生きる世の中、そして思考の中に大きくはびこった感情があります。

それは「不安」。

ここから先、自分たちの生活はどうなるのか?

仕事は? 世の中はどう変わっていくのか?

いつまでこのパニックは続くのか?

こうした数多くの不安が私たちの頭の中に居座ってしまいました。

もともと日本人はどちらかというと、老後の不安、職場の悩み、仕事の先行きなど、ただでさえ安全第一の不安体質な民族です。これに加え、コロナ禍がその気質をさらに強固にしました。

不安になれば、当然ですが、人が求めるものはその逆のものになります。

不安の逆にある、今、人が求めているもの、それは

「安心感」

です。

そしてこの安心感こそが、社会に対してだけでなく、ふだんの生活において私たちを取り巻く人間関係全般において、いちばんの基礎になるものなのです。

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