14万人不足の深刻「物流危機」克服する合理的秘策 発想の転換で危機をチャンスに変えられる

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例えば、宅配ピザチェーンは各社とも自前の宅配機能を持っているが、配送サービスに差はあるのだろうか。配送を「競争領域」と捉えるなら、自社でその機能を保持するのは理にかなっている。

だが、差別化要因にあまりなっていない、つまり「非競争領域」と判断する場合、ウーバーイーツのようなプラットフォームを利用する選択肢があれば、自前で宅配機能を持つのは不合理だ。

ウーバーイーツはB2Cだが、著者はB2Bの領域で、ウーバーイーツのように業界を束ねた、そして物流を核にしたさまざまな機能を持つプラットフォームの実現を目指している。

物流を「非競争領域」と捉える

飲食店業界と同様に、物流の基本機能を「非競争領域」としたほうが合理的な業界は少なくない。

『テクノロジー×プラットフォームで実現する 物流DX革命』(日経BP)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

しかし、現状ではウーバーイーツのようなプラットフォームがないため、各社がばらばらに物流を手配してモノを運んでおり、非効率きわまりない。そうした業界に、誰でも利用できる「物流プラットフォーム」という選択肢を提供することが狙いだ。

物流を「競争領域」ではなく「非競争領域」と捉え、業界内のライバル企業と協調していくことに足並みがある程度揃えば、その業界の企業は本来の競争領域(開発、製造、マーケティングなど)に経営資源を集中投入でき、業界全体の競争力の底上げが期待できる。

これは机上の空論ではない。今多くの業界が物流プラットフォームの形成に向けて実際に動き始めている。この動きが、これから3~5年以内に日本で起きる物流革命、もっといえば、会社単体ではなく業界全体を巻き込んだサプライチェーン・マネジメント(SCM)革命の柱の1つになると予測している。

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