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「GDPが国力のすべて」と思う人の大いなる勘違い 政治的な思惑で産まれた物で自然の法則ではない

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ここで考えたいのが、「GDPに含まれないもの」の存在です。

たとえばオランダ人は、掃除や他人の手助け、子どもの世話などに平均して週に22時間を費やしています。しかし、これらが無償のボランティアならGDPには含まれず国の豊かさには反映されません。皮肉なことに、純粋な善意ではなく、金銭のやり取りが発生すれば、これらの活動もGDPに反映され、国民生活の豊かさに計上されます。

GDPなどの数字を出す際、私たちは「重要だと思うもの」を計測していると思っています。しかしその裏で起きているのが、「計測されたものを重要とみなしている」現象。ドナルド・トランプ前大統領はGDPを根拠に、中国との貿易摩擦を正当化し、自国の経済成長を優先しました。ヨーロッパでも、ある国がユーロ圏に加盟できるかどうかを決定する重要な指標としてGDPが使われます。これはまさに、「GDP=重要なもの」と決めてかかっている典型例です。

どうすれば「現実」が見える?

一国の経済を1つの数字で表せるようになったこと自体は、画期的な出来事です。1つの数字を見ただけで経済の風向きがわかるのですから。

しかし、経済のような複雑な存在を1つの数字で表すには、必ずなんらかの要素を除外していることも、ぜひ心に留めてほしいと思います。

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GDPの場合、除外されるのは「お金に換算できないすべてのもの」です。ノーベル経済学賞を受賞したマルティア・センも言うように、国の成長は金銭だけで語ることはできません。質の高い教育や医療が全国民に行き渡っていることなど、大切な要素が他にたくさんあるのです。

人間は自分の頭で何かを考えると、それが自分で考えたものであるということを忘れ、最初からまるで実体として存在していたかのように勘違いしがちです。

数字を鵜呑みにしないと同時に、自分の頭で考えるとき、勝手に客観性を与えてしまっていないか、今一度意識することで「現実的に考えられる」のではないでしょうか。

前回記事:間違った情報を信じ込む人に決定的に欠ける視点(11月27日配信)

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