米国型経営モデルは失敗、「欧州の価値」評価に期待--ローランド・ベルガー・ストラテジー・コンサルタンツCEO ブルクハート・シュべンカー

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


--「欧州の価値」は、米格付け機関では判断しにくいのですか。

おそらく欧・米の経営スタイルの違いにもかかわってくるかと思います。つまり、米国の経営モデルは資本市場に強くコミットしている。財務状況や損益面も短期的な考えにものすごく偏っています。その考え方では結局、金融危機の複雑さに対処できなかった。米国型経営モデルは失敗したと考えています。

それに比べて、欧州型の経営モデルは社会により深く根差していますし、欧州企業は短期的ではなく、より長期的な視点でビジネスをしています。そして、技術や製品というものに力を入れている。米国モデルとは異なるのです。

欧州の経営モデルも、株主価値が根本に存在していますが、ジャック・ウェルチ氏の言葉を引用すれば、「株主価値とは戦略ではなく、あくまでも結果である」と。最も重要なのは顧客であり、製品であり、従業員であるという考えが、欧州ビジネスの基本の考え方だと思います。

株価は危機や実態経済を予測する機能を失った

--最近の株価急落局面を見ていると、景気への懸念材料が必要以上に強く株価に反映されているようにも思えます。株価動向と実態経済の関係性について、どうご覧になっていますか。

株価という資本指標は、実態経済を予測する機能を、はたして発揮できているのか。金融危機前の株価予測を思い出せば、答えはノー。どのような危機が起きるのかという予測は、資本市場からはわからなかった。資本市場が危機のインジケーターとしての機能を失っており、実態経済を予測する機能も失いかけているのではないかと思います。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事