視覚障害者「駅ホーム転落事故」対策は万全か 普及進まぬホームドア設置、昇降式は難点多い

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──ホームドア以外の設備はいかがでしょうか。ホームドアの代わりとして、ホームと列車との間に固定柵を設けている駅もあります。

固定柵は開口部が見えない私たちには効果がありません。実際、東京だけでも固定柵がある東急池上線で、3人が転落しています。蒲田駅では視覚障害者がぶつかった固定柵を「階段の手すり」だと認識し、ホームから落ちて大けがをしたという事例があります。大阪市営地下鉄や京成電鉄では「固定柵は効果がない」として、ホームドアに切り替えています。

新型ホームドアに望むこと

──ワイヤーやロープ・バーによる昇降式ホームドアをどう考えますか。

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私たちとしては、横にスライドするホームドアが望ましいです。ワイヤーやロープ式では、ワイヤーやロープは柱でくくられているため、乗降口を見つけにくいです。また、バーが上下する方式では、バーを作動させる柱が、ホームの内側に突出するために、歩行しにくいというのもあります。

何より「柵が頭上から落ちてくる」というのは恐怖を感じます。昇降式の方が導入費用が安いという話もありますが、全視協の見解としては「車両とホームドアを電気信号でつないで連動する」システムにお金がかかるので、それほど安くならないと考えます。

なお、車両の扉にQRコードを貼り、駅側のカメラと連動させることで、ホームドアを動かすという「QRコードホームドアシステム」が都営地下鉄などで導入されています。

安藤 昌季 乗り物ライター

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あんどう・まさき / Masaki Andou

1973年、東京都生まれ。編集プロダクション「スタジオサウスサンド」代表で、通勤電車の座席から寝台まで広く関心を持つ「座席鉄」。「鉄道ぴあ」「旅と鉄道」「AERA.dot」「週刊日本刀」などで、乗り物・歴史関係の執筆を広く手掛けるほか、鉄道キャラクター企画、ゲームデザイン、イベント主催なども。著書は「教えてあげる諸葛孔明」(角川ソフィア文庫)、「夢の新幹線 ものしり学習帳」(玄光社)「日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き」(天夢人)

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