視覚障害者「駅ホーム転落事故」対策は万全か 普及進まぬホームドア設置、昇降式は難点多い
──ホームドア以外の設備はいかがでしょうか。ホームドアの代わりとして、ホームと列車との間に固定柵を設けている駅もあります。
固定柵は開口部が見えない私たちには効果がありません。実際、東京だけでも固定柵がある東急池上線で、3人が転落しています。蒲田駅では視覚障害者がぶつかった固定柵を「階段の手すり」だと認識し、ホームから落ちて大けがをしたという事例があります。大阪市営地下鉄や京成電鉄では「固定柵は効果がない」として、ホームドアに切り替えています。
新型ホームドアに望むこと
──ワイヤーやロープ・バーによる昇降式ホームドアをどう考えますか。
私たちとしては、横にスライドするホームドアが望ましいです。ワイヤーやロープ式では、ワイヤーやロープは柱でくくられているため、乗降口を見つけにくいです。また、バーが上下する方式では、バーを作動させる柱が、ホームの内側に突出するために、歩行しにくいというのもあります。
何より「柵が頭上から落ちてくる」というのは恐怖を感じます。昇降式の方が導入費用が安いという話もありますが、全視協の見解としては「車両とホームドアを電気信号でつないで連動する」システムにお金がかかるので、それほど安くならないと考えます。
なお、車両の扉にQRコードを貼り、駅側のカメラと連動させることで、ホームドアを動かすという「QRコードホームドアシステム」が都営地下鉄などで導入されています。
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