SFの世界が現実に、JR西「人型ロボット」のド迫力 日本信号やベンチャーと共同開発の「汎用機」

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会場では1時間おきに5〜10分程度、零式人機による実演が行われた。開始10分前くらいになると、青いジャンパーを着たスタッフがコックピットに搭乗して準備作業を行う。零式人機のカメラと連動するゴーグルを装着して、頭を前後、左右に動かすと、零式人機の頭も同じ方向に動き出した。そして、このスタッフがレバーを操作すると、零式人機の腕がぐいと伸びた。まるで本番前のウォーミングアップをしているようだ。

そして実演本番。零式人機が行うのは高所への配管取り付けである。3本指のアームが右手で配管をつかんで、左手に持ち替えて高所に配管をはめ込む。作業には別のスタッフが立ち会い、零式人機の動きを監督している。配管を掴む際にちょっと時間を要した場面もあったが、この程度ならまったく問題ない。人の手なら数人がかりで行う作業が、零式人機なら操縦者1人で済むし、高所作業がなくなるため安全性も格段に高まる。

人間が操縦する強み

「予定と違う場所に配管を取り付けてほしい」という指示にも零式人機はうなずいて対応した。あらかじめプログラムされた行動しかできないロボットとは異なり、臨機応変に行動できるのが人間が操縦する強みである。実演の合間には、ローラーを使って高架の柱を清掃するパフォーマンスも見せてくれた。実演の様子を見ていたJR西日本の広報担当者は「事業化されれば保守作業の効率化につながる」と興奮を隠さない。

操縦者の動きは100倍に増幅され、片手50kg、両手なら100kgの重量を持ち上げられるという。逆にロボットの腕が何かにぶつかり動かせなくなると、それが操縦者にも伝わり腕を思うように動かせなくなるという。操縦者とロボットがシンクロしているのだ。

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