客を乗せない「事業用車両」に訪れた大変革時代 「機関車と貨車」から電車・気動車に置き換えへ
JR東日本は1月19日、在来線の道床バラスト(線路の砂利)運搬や散布に使用する砕石輸送用気動車GV-E197系と、回送列車の牽引や車両の入れ換えに使用する事業用電車E493系の量産先行車を導入すると発表した。いずれも2021年春以降に投入し、性能試験を実施後に運用に入るとしている。
「砕石輸送用」GV-E197系とは?
GV-E197系のGはGenerating(発電する)、VはVehicle(車両)の頭文字で、電気式気動車を意味している。電気式気動車とは、ディーゼル発電機で発電した電力を使用してモーターを駆動する方式の気動車で、すでにJR東日本は新潟地区・秋田地区に旅客用のGV-E400系を導入している。
電気式気動車は、モーターや主変換装置などの駆動システムの部品を電車と共通化することにより、メンテナンスコストの削減ができるというメリットがある。また、液体変速機や最終減速機など油脂類を使用する部品を削減することによる作業環境の改善も期待できる。
GV-E197系は、動力車のGV-E197形2両が砕石輸送用ホッパ車のGV-E196形4両を挟んだ6両編成で構成されている。おそらくGV-E196形を介して2両のGV-E197形を総括制御し、ホッパ操作はGV-E197形から遠隔で操作できると思われる。また、GV-E197形は両運転台形となっており、1両単位での運用が可能。プレスリリースでは非電化区間の車両の入換作業と回送列車の牽引にも使用するとしている。
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