客を乗せない「事業用車両」に訪れた大変革時代 「機関車と貨車」から電車・気動車に置き換えへ
そして、機関車用の操縦士免許が必要となる点も機関車淘汰への流れを加速させている。
動力車操縦士免許は電車・電気機関車用の電気車免許と気動車・ディーゼル機関車用の内燃車免許の2種類に分かれている。しかし、機関車を運転する場合の講習内容が異なるので、実質的には異なる資格が必要になる。したがって、機関車の資格を必要としない電車・気動車で置き換えたほうが得策と言えるわけだ。
実際に機関車を電車や気動車に置き換えた、もしくは置き換えを図っている事業者は多い。JRグループではJR東海が真っ先に機関車を全廃した。前述したとおり、レール輸送列車はキヤ97形気動車に置き換えたほか、砕石輸送用貨車や除雪用ディーゼル機関車は保線用機械に置き換えた。
除雪も気動車の時代に
JR東日本も、除雪用ディーゼル機関車は保線用機械に置き換えている。
保線用機械は免許が不要など取り扱いは簡便だ。しかし鉄道車両の扱いにはならないため、本線上を走るためには線路封鎖などの手続きが必要で、その間列車の運行はできない。
そこで、JR西日本は除雪用ディーゼル機関車に代わる除雪用気動車キヤ143形を投入した。気動車と言ってもエンジンを車内に搭載していて、まるで箱形ディーゼル機関車のような姿をしている。ラッセルヘッドは脱着式で、夏場は客車などの牽引、入換をすることができる。
JR北海道では、キヤ291形除雪用気動車の試運転が目撃されている。こちらについてはJR北海道から公式なリリースが出ていないので詳細は不明だが、かなり大型のラッセルヘッドが確認されている。
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