「位置ゲー」はローカル線活性化の切り札になる スマホの『テクテクライフ』と釧網本線コラボ
この方針に対して、北海道が主催する総合交通政策検討会議は釧網本線などいくつかの路線について、観光路線としての特性を発揮する取り組みを行い、地域負担も検討しつつ、路線の維持に最大限努めていく方針とした。
その「観光路線としての特性を発揮する取り組み」に、『テクテクライフ』が適していた。鉄道路線だけではなく、地域の店舗なども巻き込む。ふだん鉄道を使わず、関心が薄い人々も、鉄道とゲームのコラボの恩恵を受ける。「鉄道があるから地域を活性化できる」となれば、地域の人々も鉄道の存在価値を認めてくれるだろう。
田村氏によると、現在、企業、自治体、IPコンテンツホルダーなどから30件以上の引き合いがあるという。また、プレーヤーからも「ほかの場所も」「私が住む地域で」「もっと近いところで」というリクエストが寄せられている。
全国ローカル線の参考事例になるか
そこで、市町村や温泉地域などの観光エリアの連携を強化するため、「テクテクライフ地方創生PR事務局」が発足した。『テクテクライフ』のプロモーション活動を手がけている株式会社CDGと、地方自治体のPRコンサルティングで実績豊富なクロスボーダー株式会社が連携する。観光地の情報発信に寄与するほか、『テクテクライフ』ユーザーに「感染予防しつつ安全に楽しめる地域」を知らせる役目を持つという。
これまでも自治体や鉄道会社が協働してスタンプラリーなどを実施した例はある。しかし、デジタルスタンプラリーをその都度作れば制作費用もかかる。準備期間が長いわりには旬の情報を反映しにくいという話も聞く。しかし『テクテクライフ』はプラットホームとしてスタンプラリー機能を持っている。賞品の抽選機能もある。そしてなにより、コラボを開始した途端、全国のユーザーに認知され、数万人のアクティブユーザーが動き出す。基本料金無料だから、新規プレーヤーも参加しやすい。
鉄道と沿線地域を結び、全国から集客できる。物語性のあるコンテンツには旬があるけれど、この仕組みは旬がないことが強みでもある。なぜなら、どのローカル線でも使えるし、永続的に展開できるからだ。自治体や企業の観光担当部門や観光協会が、いま視察に行くべきところは釧網本線だ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら