ユニクロ快進撃に異変 秋冬商戦の高いハードル
昨年の秋冬は、看板商品「ヒートテック」を4700万枚完売させた。この集客効果を生かしてダウンジャケットなどの高単価商品も伸ばし、09年9~10月の既存店売上高は前年水準の3割増を記録。結果、9~2月期の営業利益は、前年同期比4割増の998億円を稼ぎだす出来すぎた期であった。
「インナー市場は寡占化しやすい」(正田雅史・野村証券主席研究員)こともあり、今年もヒートテックが急速に鈍ることはなさそうだ。だが「ユニクロの商品は2~3年はもつので、購入者は減るのでは」(アパレル関係者)と懸念する声もある。すでに08年から2年間で7400万枚を販売している商品だけに、反動減は避けられないかもしれない。
柳井社長は「淡々と仕事をするだけ。今の経営の方向は絶対に正解だと思っている」と強気姿勢を貫く。これまでも大型ヒットに恵まれながら、翌年は反動減となる「ユニクロ・サイクル」の中で成長を遂げた同社は、今回の“異変”をどう乗り切るのか。「アップするように持っていくのが経営者の役割」と言い切る柳井社長の手腕が、またも試される。
(鈴木良英 =週刊東洋経済2010年7月24日号)
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