「自己肯定感が低い人」に見られる歪んだ恋愛行動 相手が好きなのに不誠実な行動をしてしまう

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とくに、母親が自分の期待に応えない子どもに対して悲しみで反応する場合、その子どもは〝母親と自分との間に境界線を引くチャンス〟をつかむことができません。子どもは悲しむ母親に同情し、すぐに「ママが悲しんでいるのは私のせいだ。私がなんとかしなければいけない」と感じてしまうのです。それゆえこのような子どもは、母親が幸せで満足していられるように、母親が望むことを〝自ら進んで〟行います。

一方、母親が自分の期待に応えない子どもに対して「怒り」で反応する場合、その子どもは〝立ち止まるチャンス〟を持てます。子どもは心の中で「くそばばあ!」と言って、心の中だけでも母親と一線を画することができるのです。

相手が好きなのに心変わりをしていく

私の診療所には、人とつながることに不安を感じて悩んでいる方がよく来られます。このような方は、適切な方法で自己主張することがなかなかできず、そのためにパートナーが近くにいると、すぐに苦しいと感じてしまうのです。その方々には、子どものころに片親(母親の場合が多い)に束縛されていた経験があることも珍しくありません。

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たとえば、外で友達と遊びたいと思っていると、親が落胆の色を示すのです。このようなケースの人は、恋人がどのような人であってもそばにいること自体がストレスになるため、恋人への感情も必ず変わってしまいます。最初は相手のことをすごく好きでも、だんだんその人が自分にとって本当に〝正しい人〟なのか、疑問に思うようになるのです。

その結果、恋人から逃げるためにしばしば仕事に没頭し、ときには浮気もすることがあります。そして最終的には、その相手との関係を終わりにして、他の〝より良い人〟を捜し始めるようになります。しかし実際には〝正しい人〟探しを繰り返しているのは、前の恋人に気に食わない点があったからではなく、誰かと結びつくことに対して自分がものすごい不安を抱えているからなのです。

「人と結びついていても、自分は自由である」と感じることができるようになれば、人と健全な関係を築くことはできます。そのために学ぶべきは、「自己主張して、自分の願望と欲求を人間関係の中に組み入れていくこと」です。

他者との関係は、「じっと耐えるべきもの」ではなく、自分で作り上げていくことができるのです。

シュテファニー・シュタール 心理学者、心理療法士

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Stefanie Stahl

約30年間の心理療法士、心理学者としての経験、および家庭裁判所鑑定人としての経験にもとづいて、「人とつながることに対する不安」「自己価値感」「内なる子ども」に関する数多くの書籍を執筆。わかりやすく読者の心に寄り添うように書かれた著書の多くがベストセラーになっている。膨大なカウンセリング経験と長年の研究から生み出された、心を改善する著者独自の手法は具体的かつ実践的であるため、専門家の間でも絶賛されている。ドイツのみならず他国でもセミナーを開催。専門家としてのテレビ、ラジオ出演、雑誌の寄稿も多数。

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