「働き方劣化国家」日本が世界に取り残される理由 コロナ禍で必然的になった「ライフシフト人生」

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「柏の葉イノベーションフェス2021」にて行われた、『LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2)』の著者、リンダ・グラットン氏のオープニングトークの模様をお届けします(写真提供:柏の葉イノベーションフェス実行委員会)
シリーズ累計50万部のベストセラー『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の最新版『LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2):100年時代の行動戦略』が10月29日、ついに発売された。
本書の著者であるリンダ・グラットン氏が、三井不動産、東京大学や千葉大学、千葉県、柏市などの連携でまちづくりが進む「柏の葉スマートシティ」で行われたオープンイノベーションフォーラム「柏の葉イノベーションフェス2021」に登壇した。「生き方のイノベーションと、都市のカタチ。」と題して行ったオープニングトークの模様をお届けする。

「テクノロジー」と「長寿」の2つのトレンド

まず、私たちの暮らしを形作っていく2つのトレンドについて見ていきましょう。

1つは、テクノロジーが私たちの生活を動かしていくということです。私たちの生き方、働き方、そしておそらく愛し方さえも、です。

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ごく近い将来には60%の仕事、つまり3つに1つの仕事は自動化されると考えられています。これからロボット開発、AI技術の分野はますます発展していくからです。

とはいえ、不安になる必要はありません。なぜなら、同時に多くの新しい仕事も生み出されていくからです。具体的には、2030年までに世界全体で5000万近くのデジタルな仕事が生み出されると考えられています。

だからこそ、スマートシティは大変重要なのです。そこが、都市を形成して新たな仕事を生み出す者たち、つまり起業家を生み出す場所となるからです。

もう1つのトレンドは、長寿化です。人々が長生きし、子どもが少ない社会は、平均年齢が上がります。高齢化社会になるということです。現在、人口12名につき1名が65歳以上。これが2050年までには、世界の6人に1人が65歳以上になるといわれています。

そうしたなか、世界中が、日本のこれからに注目しています。すべての年代の人々が健康に暮らすにはどうすればいいのか。生涯、健康的に暮らすことをどのように実現するのか。日本は今、世界に先んじてそれを示せる立場にあるのです。

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