「働き方劣化国家」日本が世界に取り残される理由 コロナ禍で必然的になった「ライフシフト人生」

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イギリスでも現在、週の数日をオフィスで、ほかの数日を自宅で過ごすことが「ニューノーマル」だと考えられるようになってきています。すると、ご近所付き合いがとても大事になってきます。

また、労働時間について考える機会にもなりました。「こんなに長時間働く必要があるのか」「もっと生産的な働き方はないのか」といったことです。世界中の多くの企業が「生産性のために長時間労働は必要か」と自問し始めていますが、答えは「ノー」です。

私たちはこれから、「長く働く」のではなく、「賢く働く」のです。

柔軟性を軸にした人材獲得競争が始まった

人々だけでなく、企業の側も、働き方を模索しています。

西洋諸国では、企業同士が競い合って、従業員にとって最善な、クリエーティブな働き方の実現を目指しています。先ほどお話ししたように、欧州では多くの人が新しい働き方を模索しており、自分のニーズに対応してくれる柔軟性のある会社を求めています。

これからは、給与などの条件面だけでなく、柔軟性という基準で、有能な人材を獲得するための競争が起きるのではないかと考えています。

人と組織のつながりという点では、自分は会社とつながっていると感じるとき、会社の目的、つまりその製品やサービスが自分の価値観と一致しているということがあります。また、同僚たちのことが好きで、ここの一員でありたいと思えるコミュニティーであるということもあるでしょう。さらに、人は、相手が自分の成長をサポートしてくれていると感じるからこそ、その対象とつながっていたいと考えます。

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