事故が増加する電動キックボードの新たな活路 アウトドアを通して別視点から楽しさを提案
ゼロ9の税込価格は10万9800円。ネット通販などでは、1万円を切る機種も販売されていることを考えると価格は高めだ。だが、金氏によれば、通販で売られている安いモデルには「保安基準を満たしていない非合法な機種も多い」という。また、安全性の面でも大きな違いがある。例えば、安い製品には、制動装置に電子ブレーキを使った機種も多いが、そういったモデルで公道を走ると、安全な停車ができない場合もあり危険だという。
理由は「(電子ブレーキは)モーターの電気を止める役割しかない」ためだ。そのため、たとえば、電源オフ時に坂道でハンドルから手を離すと、停止を保持できず車輪が動いてしまう。また、十分な制動力を確保できないため、たとえば下り坂などを走行中に歩行者などが飛び出してきても急制動ができない。
その点、同社のゼロ9では、前輪にディスクブレーキ、後輪にドラムブレーキを採用することで、確実な制動力を実現する。また、サスペンションも装備することで、路面の凹凸などにも柔軟に対応する優れた走行安定性を合わせ持つ。ネット通販などで販売されている安価なモデルと比べ、安全に公道走行するための装備は格段に上だ。
電動キックボード普及に向けた啓蒙活動
同社では、昨今の電動キックボードに対する悪いイメージを払拭するための啓蒙活動にも積極的だ。電動キックボードは原付バイクと同じ扱いのため、公道を走る場合は、ヘルメットの着用義務や原付バイクを運転できる免許の携行、必ず車道を走ることや自賠責保険の加入などが必要で、走る際の最高速度は30km/hまでと決まっている。ところが、交通ルールやマナーを守らない一部のユーザーが、道路の逆走や歩道の走行などで事故を起こしたことで、昨今は社会問題にまで発展している。
そこで同社では、安全に乗るためのルールや乗り方に関するパンフレットを作成し、ゼロ9の試乗会などのイベントで配布。また、業界団体のJEMPAに加盟し、公式ホームページなどで、前述した電子ブレーキの危険性など、さまざまな「正しい知識」を広く一般に広める活動を行っている。
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