盛田家はソニー「PS4」を救えるか? 年末商戦で新作ソフトを大量投入
こうした中、SCEは今回、年末から来年にかけてリリースされる新作ゲームソフト34作を発表。ゲーム機ビジネスはソフトがハードの普及を後押しする好循環を生み出せるかが成功のカギを握るが、新作ゲームで目立ったのはFPSと呼ばれるジャンルのシューティングゲームだ。
欧米を中心とする世界のゲーム市場では映画さながらのリアルな映像世界の中で、主人公になりきって次々と敵を倒していくゲームが大人気となっている。メガヒットタイトルも多数生まれているが、「いわゆる人殺しゲームは日本では人気がない」(ゲームソフト幹部)。
日本では目玉タイトルとして「みんなのゴルフ」をはじめ、スクウェア・エニックスが予定する人気シリーズの「ドラゴンクエスト」の新作ゲームが発表された。こうした日本独自の人気タイトルをどこまでそろえられるかが、PS4の国内ビジネスの成否を左右することになるだろう。
任天堂は3DSの延命を選んだ
ただ、スマートフォンゲームが台頭する一方、家庭用ゲーム機市場は厳しい状態が続いており、国内市場規模は2007年の3755億円から、2013年には1553億円まで縮小している。(エンターブレイン調べ)。9月4日には日本マイクロソフトが新型家庭用ゲーム機「XboxOne(エックスボックスワン)」を発売するが、前モデルの「Xbox360」は国内シェアが低く、「XboxOneが日本で発売されること自体が驚き」(別のゲームソフトメーカー幹部)という声も漏れる。
一方、2012年11月に発売した携帯型家庭用ゲーム機「WiiU」の累計販売台数(2014年6月末時点)が世界で668万台、国内は187万台と惨敗状態にある任天堂も8月29日、携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の新機種を10月11日に発売すると発表した。3D画面のブレ防止機能を搭載したほか、近距離無線通信(NFC)機能に対応することで、年末に発売されるフィギュア「Amibo(アミーボ)」とゲームを連動させた遊び方もできるようになる。
任天堂は1~2年内に次世代携帯ゲーム機を発売すると業界では見られていたが、今回の新機種の投入により3DSを長寿命化する道を選んだと言えるだろう。
SCEはPS4、マイクロソフトはXboxOne、任天堂は3DSの刷新という三つどもえの年末商戦で、再び活性化することはできるだろうか。
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