盛田家はソニー「PS4」を救えるか? 年末商戦で新作ソフトを大量投入
「決意表明をさせて下さい。日本のコンソール(家庭用ゲーム機)市場は欧米に遅れをとっています。至らない点は多々あるでしょうが、チーム一丸となってプレイステーションビジネスを盛り上げていきます」
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は9月1日、国内のプレイステーションビジネスの戦略発表会を開催した。同日付でアジア部門を統括するソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)社長に就任したばかりの盛田厚取締役(54)が登壇し、新作ソフトなどのプレゼンテーションを行った。
PS4の販売テコ入れで起用?
盛田氏はソニー創業者の盛田昭夫氏のおいにあたる。1982年にソニーへ入社し、英国法人のソニーUKや経営企画部門などを経て、2006年にSCEへ入社。12年にはSCE取締役に就任し、経営管理畑を歩んできた。
前任者の河野弘氏はSCE取締役を退任し、国内販売子会社のソニーマーケティング社長に専念する。河野氏はソニーの平井一夫社長がSCE社長時代から近しい関係で、チーム平井の中枢メンバーでもある。国内のゲーム業界でも広く知られた人物のため、ほぼ無名だった盛田氏が後任を務める今回の人事は驚きを呼んだ。しかし昨年11月に発売した家庭用ゲーム機「プレイステーション4(PS4)」の国内での苦戦ぶりを見ると、幹部交代により販売のテコ入れを図る狙いがあったと見てとれる。
13年11月の発売から世界で1000万台(8月10日時点)を売り上げたPS4だが、「ファミ通」調べによると国内では66万台(8月24日時点)と大苦戦を強いられている。盛田氏の最重要課題は、PS4を筆頭とする国内プレイステーションビジネスの活性化にほかならない。「まだ立ち上げ期の半ばであり、PS4にとって今年が初めてとなる年末商戦で私たちが市場を牽引する」(盛田氏)と意気込む。
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