「医療従事者にワクチン義務化」の英国に潜む懸念 「コロナ再拡大の震源地にいる」欧州の苦悩

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イギリスでは7月に撤廃された屋内でのマスク着用義務、バーやレストランの人数制限、集会の人数制限などが撤廃された。経済活動優先の方針は今も変えていないが、秋以降、感染再拡大が起きた場合、特定の場所でのマスク着用などを再び法律で義務づける方針を9月に表明した。政府はさらに、可能なかぎりの在宅勤務を勧告する可能性もあるとしている。

スコットランドは学校を含む屋内の多くの場でマスク着用義務を維持したが、9月の感染率はイングランドよりも高止まりし、マスク効果は疑問視されている。

感染予防策の緩和を取りやめたフランス

フランスではマクロン大統領が11月9日の国民に向けたメッセージで、「フランスはコロナウイルスの再拡大の最中にある」との認識を示し、予定されていた感染予防対策の緩和はしばらく行わない考えを示した。

フランスのワクチン2回接種完了者は、11月8日時点で68.46%と70%に近づいているものの、11月11日時点での直近1週間の平均新規感染者数は1万2603人と10月初旬の2倍に増加しており、専門家の間では今年8月の第3波ピーク時の1週間平均約2万3000人に近づく可能性も指摘される。

マクロン氏は、政府統計ではワクチン接種を受けていない人は受けた人に比べて4倍以上感染しやすいことを強調し、65歳以上の市民にワクチンの3回目接種を事実上義務づける意向を表明した。

さらに、接種から半年経過後には免疫が下がると指摘し、12月15日以降、65歳以上の市民に対しては、3回目の接種を打たないかぎり、飲食店の利用や通院などに必要な「衛生パス」の更新を原則として認めないとし、3回目の接種を受けられる市民を12月からは50歳以上に広げることも強調した。

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