日本経済低迷は「平成の経営者が原因」と言える訳 松下幸之助がいまの時代に伝えたい事とは?

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私は、23年間、直接仕えた松下幸之助の「人を追う経営」、日本的経営観、経営手法などについて、どのような考えを持っていたか、どのようなことを日頃、語っていたかを直接、聞いてきました。日本経済、日本企業の陽の沈まんとするこのときだからこそ、「日本的経営」をかたちづくり支えてきたマインドを、昭和を代表する経営者・松下幸之助の言葉を通して、ぜひとも真剣に再考してみてほしいと願います。

松下幸之助が伝える日本的経営の真髄

1. 衆知を集める=皆の知恵を集め相談しつつ、物事を決めて取り行う

「日本には伝統の精神ともいうべきものが脈々と流れておる。ひとつは何かというと、衆知を集めるということやな。

聖徳太子さんが十七条の憲法を定めておられるけど、あの中にも、独断で物事を決めたらいかん、必ず多くの人と議論しなさい、多くの人と議論を尽くせば物事の真理も明確になるというようなところがあったな。あの信長でさえ重臣たちの意見を聞いとるわけや。

このように武士の時代、封建時代にあっても、やはりそのときそのとき、その場その場に応じて、できるかぎり衆知を集めながら最善の道を求めて共同生活の運営をしていくということが行われてきたわけや」

2. 主座を保つ=日本人らしさを失わず、主人公の立場で対応する

「いつも自分というものを忘れない。忘れているように見えるときもあるけれども、忘れていない。本来の自分というものを根底に置いてその上に新しいものを乗せる。

そういうところが日本人にはあるな。

たとえばな、文字ひとつとってもそういうことが言えるわけや。漢字が入ってくるまでは、日本には文字らしい文字がなかったと言われておるわね。そういうところへ漢字が入ってくれば、それがそのまま日本の文字となり、漢字一色ということになっても不思議ではないと思う。

次ページけど、実際には…
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