「本田圭佑だけじゃない」J選手が起業する深い訳 北海道でワイン事業や一般社団法人設立…

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さらに、都倉は所属するV・ファーレン長崎とも「ウィン・ウィン」の関係を構築できれば理想的だと考えている。

「両者がいい関係を築ければ、お互いにとって新たなビジネスチャンスも生まれます。アスリートも今までは『組織に属している』という意識が強かったと思いますけど、SNSが普及した今は1人1人がよりフォーカスされる時代。だからこそ、個別の発信を強化していく必要があるんです。

地道な取り組みを重ねてより多くの人の信頼を得られれば、選手自身もセカンドキャリア構築の布石を打てますし、クラブも新規ファン獲得につながる。今の時代はサッカーやスポーツ以外の競合が多くて、1人1人の可処分時間に限りがありますから、選手側もそれを自覚しながら、自主的にアクションを起こしていくべき。僕はそう考えます」

「レンタルJリーガー」派遣事業もする浅川隼人

都倉が言うように、「選手とクラブがウィンウィンの関係」が数多く成立すれば、コロナ禍で経営的苦境に直面するサッカー界にとっては朗報だ。そういった取り組みにいち早く着手しているのが、J3・ロアッソ熊本に所属する浅川隼人である。

桐蔭横浜大学を卒業後、2018年に加入したJ3・Y.S.C.C.横浜では「年俸0円」でプレーしていた彼は、生活費を稼ぐためにプロ1年目からサッカー教室をスタート。クラファンで支援金を集めてセブ島でもサッカー教室開催にも乗り出した。

さらに「レンタルJリーガー」と銘打って、Jリーガーの企業PR協力やカフェでの人生相談に派遣するような事業も展開。2020年7月には自身の会社「resolist」も設立した猛者なのである。

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