日本がずっと「停滞」から抜けられない4つの要因 衆院選候補者の公約「本気度」を見極めるには

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この遊休資金は、日本の緩やかな成長の主な要因である。みんなの収入は、誰かの支出から生まれている。企業が金を保有すれば、全体の個人所得、従って需要は減退する。

これが、慢性的巨額赤字を出し、日本の政府が「最後の買い手」にならざるを得なくなった理由だ。日本の赤字はその問題の原因ではなく、症状である。今必要なのは、使われていないこうした金を経済に再投資することだ。

法人所得税カットの弁明者は、減税で企業投資をさらに促すというが、これは単純に事実ではない。政府が企業にもっと投資させたければ、投資税控除を上げ、それにはソフトウェア、R&D、脱炭素化措置などの「無形資産」に対する投資を確実に含めるべきだ。そのほうがはるかに効率的で費用がかからない。

税収を犠牲にせず、経済成長を促すには

政府が企業に高い賃金を支払わせたければ、一定以上賃上げした企業を大減税すべきである。日本政府が過去の高い法人所得税率を復活させ、有益な措置には惜しみなく減税をすれば、税収への犠牲が少なく、経済成長を促すだろう。

消費税減税はありえないが、食品すべてを税から除外すれば、貧困層と中流の負担は軽くなるだろう。

本当に中立的な諮問会議は、アクティビストや解説者により提案されている選択肢「法外なレベルの内部留保(配当支払い後の利益)への課税」を研究すべきである。アメリカは内部留保に20%課税するが、この税率は、株主が配当収入に払うのと同じだ。

アメリカはこれを上場企業ではなく非上場企業の株主による税回避を防止するために行っている。そのような措置は、眠っている金を高賃金、投資、配当に使うために、日本の上場・非上場企業に圧力をかけるために使うこともできる。

これらは、平等と成長をお互いに強化することを確実にするほんのわずかな方法だ。衆議院選挙の候補者はどんな措置を実行するのだろうか。

リチャード・カッツ 東洋経済 特約記者(在ニューヨーク)

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Richard Katz

カーネギーカウンシルのシニアフェロー。フォーリン・アフェアーズ、フィナンシャル・タイムズなどにも寄稿する知日派ジャーナリスト。経済学修士(ニューヨーク大学)。著書に『The Contest for Japan's Economic Future: Entrepreneurs vs. Corporate Giants 』(日本語翻訳版発売予定)

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