日本がずっと「停滞」から抜けられない4つの要因 衆院選候補者の公約「本気度」を見極めるには
代わりに、気候が誘発する洪水が引き起こす災害の軽減など、真のニーズに資金を費やすべきだ。新型コロナウイルスで生じたサプライチェーンの混乱は将来待ち構えているものと比べたら非常に穏やかなものに見える。同時に3500万の人々が洪水の危険性がある地区に現在住んでおり、その多くが貧困な高齢者で避難できないが、保険で保護されていない。
にもかかわらず、日本はそれに備えていない。再保険会社のスイス・リーは、世界で最も脆弱な大都市圏として東京横浜地域を挙げている。最近建設された地下水貯蔵場は、1時間当たり50mmの豪雨しか想定していないが、2018年、日本の多くの都市ではその4倍の雨が降っている。
こうした取り組みが、建築会社への新たな「贈り物」にならないよう、環境省は災害に備える計画を立てる必要がある。
また、GDPにおける教育に対する政府支出では、日本は富裕国中で最下位位となっている。日本の親は子どもを高校に行かせるのに多額の出費をしている。さらに、日本の最も悲しい統計の1つは、成績優秀だが裕福ではない学生の3分の1近くが大学修了を期待していないというものだ。同様の成績で裕福な家庭に育った学生では、この数字は10%にとどまっている。これは日本の最も貴重な資源である人的資源の浪費である。政府は公立の高等学校の全授業料を負担すべきである。
企業が金を貯めこみすぎている
税:害を是正する
新人の医者は、医療を通じて「害を及ぼさない」ことを宣誓する。東京都はその税制を通じて多くの害を及ぼしてきた。法人税を下げ消費税を上げることに意味がある国もあるかもしれないが、日本はそういう国ではない。
日本は個人所得全体の20%近くを占める最も豊かな世帯1%が不平等の原因になっているアメリカのような国ではない。日本の問題は、国民所得が企業と世帯で平等に分配されていないことにある。これこそが生活水準を下げ、経済成長を阻む原因となっている。
毎年、企業は巨額の金を得るが、それを賃金、投資、利子、配当、または税金という形で経済に戻そうとしない。放棄農地のように、銀行の電子的金庫室などの中で画面上のドットの形で眠っているのだ。2010年以来、企業の保有現金は平均で1年あたりのGDPの約5%になった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら