享年37歳空手家ベーシストの彼女が遺した生き様 33歳でがん告知、SNSやブログに刻み続けた

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2020年11月28日、再びがんの転移が発覚する。脳10箇所、骨に8箇所。「それでもきっとバッチは空手とベースをやるのでしょう」――冒頭の引用ツイートはこのときのものだ。12月8日には37歳の誕生日を迎える。

<治療費援助してくれている両親から
 「お誕生日は贅沢しな~」と言ってくれたので
 生前整理で泣く泣く全て手放した
 防具を購入しました
 バッチはまだ死んでない。
 しかし比べたら拳サポ小さいのう
 #癌ステージ4
 #転移性脳腫瘍
 #骨転移
 #余命宣告>
(2020年12月8日 Instagram/https://www.instagram.com/p/CI0Zhjgp_ZC/

クリスマスから年末にかけて、また道場に足を運んでゾニーさんと手合わせ稽古を楽しんだ。

最後の投稿

<癌になって、何百回言われたかな
 「無理しないで」
 体が悲鳴をあげて涙が勝手に出てくる周りに気を遣わせてしまうけれど
 無理しないと得られないものがある
 世の親御さん達は家族を守るため身体にムチ打ってる。
 副作用で動けない、そんなん
 闘う相手は己だけ。まだまだ甘い
 #癌ステージ4
 #転移性脳腫瘍
 #骨転移
 #余命宣告>
(2020年12月29日 Instagram/https://www.instagram.com/p/CJXqluypUkt/

年明けからInstagramは2カ月近く更新が止まる。

2021年3月30日、中鉢さんによる最後の投稿

Twitterの更新もわずかで、3月初旬には入退院を繰り返す厳しい状況を写真付きで伝えている。

脳圧亢進で毎日激痛と嘔吐と気絶に苦しむ日々。もうさすがに苦痛は隠せない。それでも「どうしてもやりたい事あってね」と、バッチとしての活動を諦めなかった。

最後の投稿は2021年3月30日。亡くなる3日前のInstagramだった。

<写真加工ついたとおもった。ちがうった。苦しすぎて顔変化してた、耳目が不便で話せなくなった。口も麻痺してコミュニケーションとれなくなった。通常の回診と言いましても、大好きな医師が顔見せてくれるというのは甘えで心が緩む、安心します。
 とにかく痛い痛い。ずっーっと麻酔かしてほしいくらい。
 終末期は、こんなにも苦しいのだな。
 ここを乗り越えられたらラッキーステージかな。>
(2021年3月30日 Instagram/https://www.instagram.com/p/CNCiFalpCU9/
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