非正規の人が給付金をもらって資格取得する方法 正社員になるためにおトクな制度を利用する

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実際、私のところに相談に来られた方で、会社員をやめ、この制度を使って看護師資格を取得した人もいます。給付があっても結構大きな金額を自己投資することになりますが、それでも、サポートを受けながらキャリア形成につながりやすい資格を取得できますから、チャレンジする価値はあると思います。

また、2022年3月31日までの暫定措置ですが、受講期間中の生活を支援してくれる「教育訓練支援給付金」という制度もあります。受講開始時45歳未満、失業中で、昼間部の通学講座に通っていることなどを条件に、基本手当がなくなった後に所得保障のための給付(基本手当の80/100)が訓練修了までずっと受け取れるというものです。若年層の非正規で働いている人を正社員化したいという目的で設けられた制度です(教育訓練支援給付金を受けるには、受講開始前にキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングを受け、就業の目標、職業能力の開発・向上に関する事項を記載したジョブ・カードを作成する必要があります)。

有資格者のプロになれば、人生は変わり始める

いろいろ話をするうちに、コロナ禍の閉塞感もあって焦りと不安でいっぱいだった未知さんも、頑張れば何とかなるかもと思い始めたようです。

「キャリアチェンジの資金はどうにかなりそうですね。あとは自分の気持ちしだいですね。3年間を費やしてしっかり勉強して、プロフェッショナルの道を行くのも悪くないかも」

国家資格を得て仕事をすることになれば、人生も変わり始めるでしょう。仕事が安定すると、漠然と抱いているお金の不安も、資産形成に取り組むことで解決していけます。

人生100年時代を安心して生き抜くには、まずは生涯受け取れる公的年金を増やすことです。老齢厚生年金は、年収や保険料を支払った期間によって老後に受け取れる金額が変わってきます。年金額を増やすには、年収を上げ、なるべく長く働くことです。ぜひ、しっかり勉強して、自分の手で未来を変えてください。そして、就職したあかつきには、個人型確定拠出年金(iDeCo)やつみたてNISAも始めてくださいね。「私もしっかり働く、お金にも働いてもらう」です。

草をかき分け、ときに石につまずきながらも、精一杯仕事をして、自分の足でしっかり歩いていけば、きっと人生は豊かになるはずです。未知さんの未来が素晴らしいものになりますように祈っています。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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