行き先の数は「大都会並み」・岡山ご当地鉄道事情 中国・四国各地を結ぶ要衝、昭和を感じる路線も

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昭和を感じるような鉄道スポットは岡山県内にいくつも残っている。山陽本線をはじめ、多くの路線で昔ながらの木造駅舎を見ることができる。倉敷駅の傍ら、倉敷市駅からコンビナートでおなじみ水島方面までを結ぶ水島臨海鉄道には、まさに昭和、骨董品レベルのキハ30形などが在籍中だ。

瀬戸内海を眺めたければ赤穂線も悪くない(撮影:鼠入昌史)

また、何より昔ながらの旅を感じさせてくれるのが県下最大のターミナル・岡山駅。ホームに『瀬戸の花嫁』が流れるのも悪くないが、何より岡山駅は四国方面に向かう特急列車も発着する中国地方最大の鉄道交通の要衝である。さらに岡山市内だけをみても「おかでん」こと岡山電気軌道が走っている。

では、岡山駅を出発する特急列車に何があるのか、見てみよう。

四国方面に向かう特急は「しおかぜ」「南風」「うずしお」。快速の「マリンライナー」を含め、瀬戸大橋を渡って瀬戸内海を越える列車の起点なのが岡山駅なのだ。

山陰地方へ向かう特急も

さらに一旦東に走って智頭急行に乗り入れて山陰方面を目指す「スーパーいなば」、反対に東に向かう陰陽連絡線の主役・伯備線経由の特急「やくも」。いま残っている唯一の定期夜行列車である「サンライズ出雲・瀬戸」も忘れてはならない。山陰に向かう「サンライズ出雲」と瀬戸大橋を渡る「サンライズ瀬戸」は岡山駅で連結したり分割したり。

特急「やくも」も国鉄車両の381系がご活躍(撮影:鼠入昌史)

そのまま西に向かうのか、それとも山陰か、はたまた四国か、まさに岡山がその分かれ目たる要衝であるということがよくわかっていただけるのではないかと思う。

これだけをもってみても、岡山県の鉄道は実に充実しているのだ。山陰や四国、中国地方を鉄道で旅するならば岡山を避けて通るのは難しい。見方を変えれば旅人の生殺与奪をすっかり岡山に握られているといってもいいのである。

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