白塗りメイクでTikTokに現れた「ナミコ」の正体 破壊力ある動画で日本人から人気の20歳の矜持
当然のことながら、これも、ウーピーや、彼女が演じたキャラクターの白さに対する執着を連想させたのだが、ナミコがどこでこれを思いついたのか、そしてその意味するものは何であるのか、私は興味を抱いた。
「匂いが好きなだけ」とナミコは言い、私は思わず笑ってしまった。彼女は実に天然で面白い。
「マジで!そうなんです。匂いが好きなの。時々英語のコメントがあって、たぶんアメリカ人だと思うんだけど、彼らはそれを人種的なものだと考えてる。たぶん、私が白人の女の子になろうとしているとか。でも、日本人はただそれを面白がるだけなんですよ。ほかの国の人たちは何か違うように考えるようだけど」。
「でも、君にとってはただ匂いが好きなだけ……」
「その通り!」 彼女が笑うと、ついこちらもつられて笑ってしまう。「単なる匂いです!」
ナミコの「ホワイトフェイス」の意味は
時として日本人や白人コメディアンなどが、黒人を真似て顔を黒く塗る「ブラックフェイス」が問題になることがある。一方で、ナミコが顔を白く塗ることを白人の人たちはどう受け止めるのだろうか。
「彼女の演技をネガティブに捉える人はおそらくいないと思う。ブラックフェイスがもつ歴史的な重圧のようなものが"ホワイトフェイス"には単純にないのです。人間性を奪いブラックコミュニティを傷つけることがブラックフェイスの目的でしたから」と、日本人男性と結婚した白人女性の高木エモリーさんは話す。
「一方、ナミコは典型的な『色白が美しい』という基準をあざ笑い、社会が持つ美しい日本人の理想像に"合わせる"ことに反抗しているのはないでしょうか」
高木さんはこうも続ける。「私が泥パックをつけても、もちろん何の問題もないです。しかし、泥パックをつけるのが黒人(または黒人役)のふりをするためだったら……それは違う話です。同じことをしたオクラホマ大学の学生は即刻退学されられています」
ナミコの動画をめぐって、見る側はさまざまな臆測をしてしまいがちだが、当のナミコは動画のプランを練ることすらないのだという。
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