白塗りメイクでTikTokに現れた「ナミコ」の正体 破壊力ある動画で日本人から人気の20歳の矜持
姓は伏せておくことを希望しているが、「ナミコ」は彼女の本名で、それを通称に使っている。アフリカ系の両親のもと、北海道で生まれ育った。父親はコートジボワール出身、母親はトーゴ出身だ。彼らは約22年前に交換留学生として別々に来日し、日本で出会って結婚し、ナミコが生まれた。
ナミコはどちらの国にも行ったことがないが(近々アフリカを訪れる予定だ)、学生時代の数年間をカナダのモントリオールで過ごしている。日本語とフランス語が堪能で、英語も話すが、先に挙げた2カ国語ほどではない。
「子どもの頃から夢はスーパースターになることだったの!」とナミコは単刀直入に言った。「アーティストとか、テレビの有名人とか。友達の多くはすごく行動的で、いつもすごいことをしている。だから私もなにかすごいことをしたいと思った。そこで、TikTokの動画を作ったら、次の日にそれがバズって、今の私になったというわけ」。
「私にはやりたいことがたくさんある。なんでもやりたい」とナミコは言う。「タレントやお笑い芸人だけでなく、女優、歌手、プロのスケートボーダーとか。困っている人たちを助ける慈善事業の会社も起業したいと思っている」。
「オリジナルな人になりたい」
ナミコの動画は自分が高く評価してきたアーティストたちの特質を彷彿とさせるところがある。そしてその中に、成功目標となりうる人物がいる。エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞をすべて獲得した16人のエンターテイナーのうちの1人、偉大なウーピー・ゴールドバーグだ。
私が最初にウーピーに出会ったのは、彼女がブロードウェーでワンマンショーをしていたとき。彼女が、白人の女の子のようなブロンドの髪と青い目を渇望する幼い黒人の少女を熱演したパフォーマンスの一部がこれだ。
「私は多くの人から刺激を受けました」と実世界では会社員として働くナミコは言う。「でも、今の私がしていることは、その人たちの影響じゃありません。これまでに誰かがやったことをやりたいのでもないし。オリジナルなことをして、オリジナルな人になりたい!」。
前述の通り、動画のいくつかでナミコは、ベビーパウダーを小道具に使って顔にはたいたり、時には顔全体に厚く塗ったりしているのだが、それはまるで、頭からパウダーをかぶってそれが無造作に落ちてくるに任せたかのように見えるのだ。
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