京阪5000系引退、通勤に活躍した「多扉車」の元祖 大量輸送時代の"申し子"が半世紀の歴史に幕

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1970年に登場した京阪5000系。編成すべてが5扉車となっていた(撮影:伊原薫)

2021年10月、JR東日本の所有するE4系新幹線が定期運用を終了した。E4系は、1994年に登場したE1系に続くオール2階建ての新幹線車両として、1997年にデビュー。E1系の12両編成から8両編成へと短くなった一方、朝ラッシュの混雑時には2編成を併結した16両で運転され、その座席定員は1634名と抜群の輸送力を誇った。

だが、車両の老朽化に加え、オール2階建て車両であるがゆえの車体の大きさが、スピードアップや騒音問題の足かせだった。E4系の廃車で、1985年に東海道・山陽新幹線で走り始めた100系新幹線以来、36年間にわたって新幹線で見られた2階建て車両も、姿を消すことになった。

通勤車両の大量輸送にも節目

E4系の引退は、鉄道ファンはもちろん一般の利用者からも多くの注目を集めた。特に、引退日が発表された6月下旬以降は、駅などで写真を撮る人々が増加。新聞やニュースでも取り上げられ、話題となった。

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また、これに先立つ2021年3月のダイヤ改正では、「湘南ライナー」などで使用されてきた、同じく2階建て構造の215系電車も引退。首都圏で見られる2階建て車両は、引き続きJR在来線のグリーン車などがあるものの、1つの節目を迎えたと言えるだろう。

一方、この陰に隠れる形で、関西のある車両が現役を退いた。そしてそれは、半世紀以上前にこの車両が切り開いた、鉄道車両の一ジャンルにも幕を下ろす出来事となったのである。

その車両は、京阪電気鉄道の5000系という。

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