新型コロナは新興・途上国経済により大きな打撃 IMFが世界の経済成長見通し小幅ながら下方修正

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国際通貨基金(IMF)は12日公表した最新の世界経済見通し(WEO)で、今年の世界成長率見通しを小幅ながらも下方修正した。新型コロナウイルス禍からの堅調な回復を引き続き見込んでいるものの、回復の勢いの衰えと国・地域間の格差の拡大に懸念を表明した。

低所得国を中心に一部の国の成長予想を大きく下方修正

IMFは今年の成長率予想を5.9%と、7月時点の予想から0.1ポイント引き下げた。2022年の予想は4.9%で据え置いた。

成長への脅威が増したと指摘し、デルタ変異株とサプライチェーンの逼迫(ひっぱく)、インフレ加速、食料と燃料の値上がりを挙げた。新型コロナワクチンの入手が限られる低所得国を中心に一部の国の成長予想は大きく下方修正した。

チーフエコノミストのギータ・ゴピナート氏は報告書の前文で「全体として景気見通しへのリスクは増し、政策の二律背反はより複雑になった」とした上で、「各国間の景気見通しの危険な格差が引き続き主要な懸念材料だ」と分析した。

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