新首相がいきなり奇策「31日へ選挙前倒し」の成否 側近たちも「意外」と驚いたその狙いとは?
岸田首相は総裁選勝利を受けたあいさつで「これでノーサイド。あとは全員野球」と呼び掛けた。しかし、麻生氏が言い放った「総裁選はまさに権力闘争。負ければ冷や飯は当たり前」との指摘通り、党・内閣人事ではいわゆる菅グループと二階派の中軸は「ポストからの排除」が際立った。
自ら完敗を認めた河野氏は、党7役の末席となる広報本部長への降格を受け入れざるをえなかった。さらに、次期首相候補の人気投票で河野氏と肩を並べていた石破、小泉両氏も、岸田首相は「冷や飯組」に追いやった。
あわせて岸田首相は当選3回の若手から、福田氏だけでなく麻生派所属の党青年局長で河野氏支持だった牧島かれん氏をデジタル・規制改革担当相、二階派の俊英とされる小林鷹之氏を経済安保担当相に抜擢。岸田陣営の広報役だった堀内詔子氏のワクチン・五輪担当相起用とあわせて「若手起用での人事刷新」をアピールした。
「自民単独過半数割れ」なら短命政権の可能性
ここ数回の選挙戦では小泉、石破両氏が応援弁士の2大スターだったが、今回抜擢された4人の3回生が「新たなスター」となる可能性も秘める。すでに「福田、小林両氏は長身でイケメンだから引っ張りだこ」(自民若手)とされる。岸田首相の人事で、人気弁士も世代交代というわけだ。
ただ、新政権人事の本質は「まさに永田町の論理そのもの」(閣僚経験者)。岸田首相が安倍氏に抵抗してみせても、「国民不在の権力闘争」という本質は覆い隠せない。国民の自民不信の原因だった「菅・二階体制」が「岸田・3A体制」に置き換わっただけでは「表紙は変わっても中身は同じ」(志位和夫共産党委員長)との批判は避けられないからだ。
奇襲作戦ともみえる「ご祝儀相場狙いの選挙日程前倒し」(同)も奏功するのかどうかは「結果をみるまでわからない」。岸田首相にとって衆院選での実質的な勝敗ラインは自民単独過半数確保とみられており、「単独過半数割れなら、政権は維持できるがレームダックになって短命に終わる」(自民長老)との見方も少なくない。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら