子ども手当や保育所拡充では、少子化は止められない

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 働き続ける女性や共働き夫婦の育児支援策として、まず指摘されるのが保育所の定員増や新設だ。ただ、これにも注意が必要である。待機児童は、東京などの大都市圏に、かつ0~2歳児に大半が集中している。全国一律に保育所を増設しても効果は乏しいのである。

このほか、育児休暇については、ようやく普及してきたものの、非正規雇用者は取ることができない。正規雇用者にとっても、子育ては何年にも及ぶため、結婚や出産を機に仕事をやめてしまう女性も多い。日本では、出産などでいったん退職すると、再び働くには非正規でしか戻れないことがほとんどである。

中央大の山田教授は、「企業の新卒一括採用から見直すべきだ。そこでコースに乗れないと、非正規となり、結婚しにくくなる。途中で、非正規から正社員になれるような多様な働き方ができる社会にしないといけない」と言う。要するに、若者にとって再挑戦が可能な社会である。

法政大学大学院の小峰隆夫教授は、「出産・子育てで仕事をやめたときに女性が失う収入、つまり機会費用が大きいので、仕事を続けるか、仕事をやめて出産・子育てを選ぶかという二者択一に悩み、出産・子育てをあきらめてしまう女性も多い。女性の働き方の問題を解決しないと、少子化は止まらない」と見る。育児休暇や保育所の拡充に加え、育児期間中は短時間労働が選択できるような仕組みも必要なのである。

女性や若者の働き方まで含めた、総合的な対策を早急に考えないと、少子化は止められない。

(シニアライター:柿沼茂喜 =週刊東洋経済2010年7月3日号)
写真は本文とは関係ありません 撮影:尾形文繁

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