映画「護られなかった者たちへ」に込められた意図

瀬々敬久監督が語る「加害者視点」で描く理由

東日本大震災の被災地を舞台に生活保護の申請、受給をめぐる理不尽を描いた映画『護られなかった者たちへ』が10月1日から公開 ©2021 映画「護られなかった者たちへ」製作委員会
東日本大震災の被災地を舞台に生活保護の申請、受給をめぐる理不尽を描いた映画『護られなかった者たちへ』が10月1日から公開されている。
保健福祉センターや福祉保健事務所の誠実な実務担当者が、全身を縛られたまま“餓死”させられるという殺人事件が相次いで発生。捜査線上に浮かんだ人物は、10年前、生活保護申請に対する福祉保健事務所のずさんな対応に激昂し、火を放った人物だった。ところが、刑事が犯人を追ううちに、驚愕の真実が明らかになる――。
中山七里氏原作の同名小説を大胆にアレンジし、今もなお残る震災の傷跡や生活保護の運用を巡る矛盾を描いた本作。ミステリーの中に社会的なメッセージを込めている。
主人公には『るろうに剣心』(2012年)などで実力派俳優として活躍する佐藤健を据え、主人公を追う刑事にテレビドラマ『ドラゴン桜』など幅広い役柄で世間を魅了する阿部寛、日々現実の矛盾と向き合う市役所の生活保護担当者に『おかえりモネ』で注目を集める清原果耶を起用している。
今回は、監督・脚本として同作品を手がけた瀬々敬久監督に撮影時のエピソードや原作をアレンジした理由、そして加害者の視点からも事件を描く意味について聞いた。

SNSで声を上げる現代社会

――原作を読んだときの感想についてお聞かせください。

まず、『護られなかった者たちへ』というタイトルが自分にとって一番響きました。詳しくは作品を観てほしいのですが、ある人物が護られなかった者たちを代弁するかのように「(理不尽な現状に対して)声を上げてください」という呼びかけをSNSでしたことが非常に印象的でしたね。

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