中国のヒト用ワクチン輸出急減、そのわけは?

中国製不活化ワクチンから欧米製「mRNA」へシフト

新型コロナウイルスワクチンの接種が始まったばかりのころ、無数の命を救ったのは中国製ワクチンだ。中国がアジアと中南米、中東で接種プログラムを始める一方で、比較的豊かな国々は米国のファイザーやモデルナが開発したメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの確保に動いていた。

だが今では、かつて科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)あるいは中国医薬集団(シノファーム)の不活化ワクチンに頼っていた多く国が欧米製のワクチンを選択するようになっている。デルタ変異株に対する中国製の効果を巡る懸念が広がり、欧米勢によるmRNAワクチン囲い込みも緩んでいるためだ。

こうした変化はすでに中国の通関統計に示されているようだ。中国のヒト用ワクチン輸出は2020年12月から着実に増えていたものの、今年8月は19億6000万ドル(約2190億円)と、7月の24億8000万ドルから21%急減した。

中国シノバック製ワクチン、ファイザー製より効果劣る-併用のチリで

ジンバブエに到着したシノバックとシノファームのワクチン(2021年3月) 

香港城市大学のニコラス・トーマス准教授はワクチン接種が初めて可能になったときは「人々は基本的に手に入るワクチンの接種を受けた」が、「接種が進むにつれ、医療従事者だけでなく一般の人々もワクチン間の違いについて多くを知るようになった」と指摘。「人々は予防という点で全てのワクチンが同じではないことに気付いた」と述べた。

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