産業リサーチ(家電・AV) デジタル家電分野の覇者争いが今後は激化

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2002年に売り上げを伸ばしたAV製品が2つある。PDPや液晶といった大型・薄型テレビと、長時間録画や便利な再生機能が売りのDVDレコーダーである。
 通信のブロードバンド化が進み、2003年末からはいよいよ地上波のデジタル放送も始まる。いわゆる「ユビキタス」社会到来を合言葉に、今後はこれらの流れに応じたデジタル製品群が続々と誕生するはずだ。
 デジタル家電の開発において中心プレーヤーとなるのは、やはり松下電器産業、ソニーの2社だ。グローバルにみても、安価品や普及品は中国など海外メーカーの独壇場となりつつあるが、複雑かつ高性能なデジタル家電においては日本企業が力を発揮するはずだ。ソニー、松下、そしてオランダのフィリップス、韓国メーカーが、この分野での主要企業だ。
 2002年、松下電器産業は創業以来の大革新を行った。主要子会社を完全子会社化し、グループ全体で事業を再構築したのだ。人員も削減しスピーディな体制へと転換を図っている。ソニーも赤字が続いた子会社のアイワを本体に吸収し、新ブランドとして再出発させている。
 その両社とも、他社との提携にも積極的に取り組んでいる。携帯電話では、松下は次世代品の開発でNECと提携し、ソニーはエリクソンと事業を統合した。ソニーは東芝、IBMと半導体で提携しているが、松下は東芝とディスプレー事業を統合しているという具合である。そして松下とソニーも、デジタル家電のOS、リナックスの開発で提携を発表、他社の参加を呼びかけている。OSでは協力し、独自の製品化においてはしのぎを削ろうという図式だ。
 この業界、注目企業も多い。シャープ、三洋電機、パイオニア、船井電機といった企業はそれぞれ独自の技術力、製品、マーケティング力に優れている。裏を返せば、そうでなければ生き残れない。
 また成熟市場といわれるオーディオ業界において、米投資ファンドのリップルウッドの主導で日本マランツとデノンが統合、再編が起こったのも画期的だった。成熟製品においては、今後もこういった統合が起きるに違いない。

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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