孫正義の師が教える!「今日を懸命に生きるコツ」 「プロの言葉」に学ぶ「自分の価値」の高め方

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後に本社の経営企画に移るが、現場経験があったからこそ、やるべきことがわかった。

うまくいったときにこそ、人は試される

私自身、学生時代、飲食店でアルバイトをしていたので同じことを当時から感じていたが、この言葉がスーパーエリートのコンサルティング会社トップの口から出てきたことに大きな衝撃を受けた。しかも、声を荒らげて怒る、と。やはり、そうだったのか、と感じた。

権力を手に入れたり、地位を与えられると、とたんに勘違いしてしまう人が出てくる。そんな人が、成功できるはずがない。人はつねに試されるのである。とりわけ、うまくいったときにこそ、試される。タクシーしかり、飲食店しかり、サービス業の人たちへの対応は、人間性を試すうえでの、わかりやすいリトマス試験紙である。

こんなことを語っていた人もいる。

「むしろ、厳しい環境に身を置いたほうがいい」
──糸井重里(ほぼ日社長)

糸井重里さんは1980年代以降、コピーライターとして数々の名作を残し、日本のトップクリエイターとして時代を牽引してきた。1998年には、ウェブサイト「ほぼ日」を開設。2017年に株式上場を果たした。

幾度も取材しているが、強く印象に残っているのが成長をテーマにした話。成長を加速させるのは、理不尽さに直面することだというのだ。

「簡単には受け入れられないことや認められないことにぶつかる。思ってもみないところで足元をすくわれたり。ひどい上司を持つということもそう。大きな無力感に襲われたり」

糸井さんはこんな例え話をしていた。岩場や砂地のような環境の厳しい場所では、植物は必死になって根を伸ばす。細かな根っこが綿のように生えてきたりする。ところが、環境のいい森の中にいたりすると、浅くて太い根だけになって、風が吹いたらバタっと倒れてしまったりする。

「むしろ厳しい環境に身を置いたほうがいい。たくさんトライできて、失敗できるところにあえて行く。その勇気が違いを生むと思いますね」

必要なのは、機会なのだ。たくさんの機会が得られたら、やはり成長できる。

「あとは本気になることです。そういう人は毎日、努力している。筋肉がつかないよ、と文句言っている人は、だいたい毎日やってない。5分だけでいいのに。でも、難しいですよね、5分。この5分を作れるかどうかが、本気度だと思うんです」

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