インド浄化作戦、まずはトイレから すべての寺院の前にトイレを設置へ

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モディ首相はインドの街をきれいにすることを目指しています。「今、我々はインド人の国民性を真剣に考える時期に来ている」と述べ、衛生面での改善を宣言しました。「スワッチ・バーラト」(クリーン・インディア)は彼の最優先課題の一つといえるでしょう。モディ首相はあちこちで国民に「家、村、町をきれいに」するように訴えています。実際、首相就任の際には、多くの政府のオフィスで、ビルから机まできれいに清掃されたのです。モディ首相自身も掃除が好きで、彼は官僚たちに大掃除を行うこと、机を整理すること、不要な書類を廃棄することを命じました。

情報の発信と伝達の問題

インドは準公用語として英語が使われていますが、実際には多言語社会です。都市部やビジネスでは英語が通用しますが、地方に散らばる多くの観光地では、場所によってはヒンディー語やその土地の言葉しか通じず、外国人はコミュニケーションの問題に直面します。

適切な標識や案内板がほとんどないことも問題といえるでしょう。パンフレットや案内書があっても、それはヒンディー語か現地語で書かれているのです。英語版があっても、文法上の誤りがいっぱいあり、それが放置されています。インド人は非常にすばらしい英会話能力があるにも関らず、情報の伝達には問題があるのです。

政府のサービスの多くは自動化されていないため、書類ひとつを申請するのにも手間がかかります。しかも情報は不明確で、サービスは人々になかなか行き渡らない現状は、日本人を含め、外国人にとって頭痛の種です。

IT立国を目指すからには、情報をきちんと蓄積し、これを分かりやすく伝達することは必須といえます。現行の第12次5カ年計画で、観光であれビジネスであれ、情報伝達の問題の解決方法を見つけ、次の5カ年計画で十分な予算を割り当ててほしいものです。また、地方の関係当局は違う文化圏の人々とのコミュニケーションのとり方や対応方法について国際水準の実務研修を受けるべきでしょう。これらは実施の道のりが遠くても、注意を払い続けるべき問題といえます。

モディ首相はITファンであり、ITを使ってガバナンスを改善し、インドをあらゆる情報が効率的、かつタイムリーに活用できるデジタル国家にする必要性を強調してきました。eガバナンスについては、「簡単で、効率的で経済的なガバナンスだ」と述べています。

彼はまた、インドで最もツイッターを使用する政治家です。現政府の中でソーシャルメディアを通じて大衆とコミュニケーションをとり、各部局間の調整を図ることで彼の右に出るものはいません。彼は閣僚たちに効率的に働くために、ITツールを使いこなすことを勧めています。新政府は「2019年までにデジタル・インドを実現する」という目標を達成するため、50億ルピーの予算をつけているほどです。

こうした数々の目線の高い計画が、確実に実行されるかどうか。それが今後の注目点といえるでしょう。

帝羽 ニルマラ 純子 インドビジネスアドバイザー

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ていわ にるまら じゅんこ

インド共和国・バンガロール生まれ。法政大学大学院修了。来日以来14年間で、日印コンサルタント会社起業を経て、現在インドビジネスアドバイザーとグローバル人材トレーナーとして活躍。著書には、2013年にインドの諺について日本語で解説した『勇気をくれる、インドのことわざ』がある。インドの諺を日本語で紹介する本の発行は、長い日印の歴史でもこれが初。2014年には『日本人が理解できない混沌(カオス)の国 インド1―玉ねぎの価格で政権安定度がわかる!』 『日本人が理解できない混沌の国インド2―政権交代で9億人の巨大中間層が生まれる』発行。

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