自民総裁選で急浮上「決選投票」の大逆転シナリオ

大半の派閥は自主投票、自民史上に残る戦いに

今回も似たような構図が想定されているが、「総裁選の結果は衆院選の自民議席の増減に直結する」(細田派若手)ことは間違いない。ほとんどの派閥が自主投票を余儀なくされる過去に例のない状況下、各議員が派閥単位の多数派工作に従うかどうかは不透明だ。

今回ばかりは「決選投票でも投票箱のふたを開けるまで分からない」(岸田派幹部)という総裁選史上に残る戦いとなりそうだ。

9月17日の告示以来、4候補は連日、各種討論会で論戦を展開している。ただ、届け出順に並び、発言の順番や時間配分も事前に決まっている形式が多く、「まるで総裁選一座の巡業」(閣僚経験者)にもみえる。総裁選期間中の多くの時間、行動をともにする候補者らは「全員に敵味方を超えた同志のような連帯感ができる」(総裁選経験者)とも言われる。

恒例の揮ごうも4者4様に

18日に日本記者クラブが開催した恒例の総裁選立候補者討論会。数多い討論会の中で最も時間が長く、毎回NHKが全国生中継することで国民の注目度も格段に高い。それだけに、討論中の各候補のさまざまな表情が波紋を広げた。

討論会で披露される恒例の揮ごうも、今回は1つに絞り、座右の銘から今回訴えたいことまで自由に書くことになった。それぞれ書き初めのように墨汁に浸した筆を使い、河野氏は「温」、岸田氏は「天衣無縫」、高市氏は「崇高雄渾」、野田氏は「愛」と書き上げた。

総裁選出馬が2回目の河野、岸田両氏は経験者とあって、控室の席に着くと迷わずに筆を走らせた。2009年に出馬した河野氏は前回は力強い字で「一番」と書いたが、今回はあえて「温もり」を選んだ。

また、2年連続となった岸田氏は、2020年に書いた「春風接人」でなく、もう1つの座右の銘である「天衣無縫」を選び、懐の深さと自然体をアピールした。

一方、初挑戦の高市氏は字画まで確認しながら慎重な筆遣いで「崇高雄渾」と書き上げた。居合わせた付き添い役の議員らは「高市さんが最も男性的な揮ごうだ」と顔を見合わせた。

同じく初挑戦で、「どうしようかな」と小首を傾げたうえで野田氏が選んだのは「愛」の一文字。署名も含めて書き終わると「政治も『愛』がなければなりたたない」とほほ笑んだ。

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