【産業天気図・自動車】最悪期脱出も、政策特需消え浮揚力は弱い。1年通じて「曇り」程度

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 ホンダ<7267>も米国の回復やハイブリッド新車2種の発売(シビックのモデルチェンジ、フィットバージョンの新規発売)をにらんで6.5%増と見込む。

「1ドル=90円でも四半期で1000億円の営業利益が出る体質になった」(近藤広一・ホンダ副社長)という発言に代表されるように、大手3社とも猛烈なコスト削減効果で損益分岐点を大幅に下げており、いずれも大幅な営業黒字を見込む。一時期は大幅に縮小された研究開発費や設備投資、労務費なども反転しはじめた。

リーマンショックに端を発した自動車業界の“危機モード”は解除された。ただ、リーマン前の水準に戻ったわけではなく、少なくとも全需がピーク時レベルに回復するにはなお時間がかかりそうだ。また、戻ったとしてもその車種や主力となる競合市場はがらりと変容している。

富士重工業<7270>「レガシィ」の大成功は、ライトトラックやスポーツ多目的車(SUV)に代わるクロスオーバー車の台頭を象徴しているし、日産自動車のタイ製「マーチ」は世界最適地生産に基づく価格競争力を持った小型車セグメントの競争激化を予言している。米ゼネラル・モーターズは再生しつつあり、貪欲に拡大を続ける独フォルクスワーゲンは存在感を強めている。新興勢力の動きも見のがせない。

日系メーカーにとっては、1台あたり利益が以前ほど戻らず、かつ為替相場の急激な変調もないという前提にたてば--かつておもしろいほどの利益を満喫した時期に見上げた「快晴」は、まだしばらく望めそうにない。
  
(高橋 由里=東洋経済オンライン)

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