産業リサーチ(コンピュータ)  消耗戦の宿命が次なる再編を呼びそう

コンピュータのハードウエア業界は消耗戦を強いられている。業界の巨人、米IBMは1990年代初め、経営危機に陥った。主力のメインフレーム(大型汎用機)に頼りすぎ、ダウンサイジング(小型化)の流れと、技術のオープン化に乗り遅れたためだ。小型化とオープン化で新規参入が容易となり、ハード競争は激化の一途。IBMが経営史に残る復活を遂げたのは、大リストラと事業の主柱を利幅の大きいソフト・サービスへ転換して新たな収益源を開拓したからだった。
 小型化により、ハードの主流はコスト高のメインフレームから、サーバーと呼ばれる中小型機へ移行。上位サーバー向けCPU(中央演算装置)を開発する体力があるのはIBM、米ヒューレット・パッカード(HP)、米サン・マイクロシステムズのビッグ3程度だ。日本勢は彼らとの提携に生き残りを賭ける。
 最近ではOSにUNIXを使う大型サーバーから、米マイクロソフトのウィンドウズOSや無償のLinuxOSで動くPCサーバーと呼ばれる小型機への移行も見られる。パソコン大手の米デルコンピュータはPCサーバー大手でもある。
 PCサーバーのCPUは、パソコンのCPUで業界を支配する米インテルが先導。将来的にはメインフレームが担う高信頼性が要求される処理もLinux機に移ると目され、富士通は今年1月、上位Linux機の開発でインテルと協業した。ただ、それは一段の小型化を意味するもので、ハード事業には利幅低下が宿命的につきまとう。HPの米コンパック買収などの再編は今後もあって不思議ではない。
 一方で、日用品化したパソコン事業は各社、得意市場に特化するフォーカス戦略の時代になっている。中途半端なフォーカスでは製品のコンセプトがボヤけ、結局は高付加価値や低コストなど徹底して特色を出した製品に負けてしまう。企業向けから初心者向けまで扱うNECや富士通は、その点で厳しい。両社はまた、国内でこそシェア1、2位だが、海外では見る影もないのが実情。物量がモノを言う事業だけに、日本市場の10倍ある世界市場を前提とした戦略がなければ展望は暗い。

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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