「お客様の声」から良いアイデアが生まれない理由 発言よりも「行動」に着目することの重要性

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「良い学校を出て、良い会社に就職して、退職まで勤め上げる」というような生き方はもう古いと感じている人は多いと思います。人材の流動性も上がっていますし、満遍なく綺麗な成績表よりも人とは違う個性や得意技が評価されることも増えてきました。毎日真面目に仕事をしていても、高度成長期のように自動的に昇給していくとも限りません。実直にやっているだけでは必ずしも報われないのです。

自分のキャリアや生き方を見つめ抜いて、自分で自分の人生についての戦略を立て、アイデアを実行していくことが求められていると感じます。そして、それができる時代の良さも感じられます。お金がなくても良いアイデアさえあれば、出資を受けて事業を興すことができます。お金も学歴もなくても、アイデアを生み出すことはだれにでもできます。

このようにアイデアの重要性が増している時代が、アイデア資本主義の時代なのです。

アイデアを生み出せる人が勝つ

機械的な作業や型化された業務はどんどんAIやロボットによって代替されていくため、ビジネスパーソンに求められる企画力・アイデア発想力は、これからより重要になっていくと考えられます。そのため、アイデア資本主義においては、人間に固有の能力として(良い)アイデアを生み出せることこそが各人の強みの源泉になるのです。

YouTuberは典型的なアイデア資本主義のアクターです。投稿動画に広告がつくプラットフォームの登場と、動画の撮影や編集にかかるコストが減少したことが相まって、普通の人でも動画の制作・投稿を通じて収入を得られるようになりました。もちろん相当の再生回数がなければYouTuberとして生計を立てるには至らないものの、企画の面白さ次第では一つの動画で数百万回を超えるような再生数になることもあり、まさにアイデア勝負の稼ぎかたと言えます。

例えば、YouTubeで1000万人近いチャンネル登録者数を有するHIKAKIN氏は、まださほど有名でなかった2010年にスーパーマリオブラザーズのBGMをヒューマンビートボックスでメドレーにした動画を公開し、これが注目を浴びたことで一躍有名になりました。この動画がヒットした背景には、ヒューマンビートボックスの技術に加えて、スーパーマリオブラザーズというポピュラーでBGMが印象的なゲーム作品を題材に取り上げた企画性の高さがあるわけです。

YouTuberに限らず、Instagramのインフルエンサーや、ハンドクラフトを量産して、メルカリなどのフリマアプリで販売することで生計を立てるようなケースもあることを踏まえれば、キャリアや稼ぎかたの個別化・多様化はアイデア資本主義においてますます進んでいくと考えられます。

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