まさかは起きる!「人生を逆転」させた人の共通点 プロの言葉に学ぶ「暗闇」からの抜け出し方!

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

実は野村さんの故郷と私の故郷はすぐそば。「おぉ、豊岡高校か。練習試合で行ったなぁ」なんて話もさせてもらった。静かな語り口の、素敵な紳士だった。

「いつかはやってやるぞ」

実は私自身、28歳のときに会社が倒産して失業、何もかも失い、なし崩し的にフリーランスになった経験を持つ。当時は、未来はまさに暗闇だった。ところが、想像もつかないような未来が待ち構えていた。野村さんのいう「まさか」が私にも起きたのである。

どん底に落ちたときでも、自分を信じることだ。ただし、信じるに足るだけのことをしておかなければいけない。同じことをしていて、結果が変わるはずがない。私の人生を一変させたのは、エゴをかなぐり捨て、「自分のために働かない」というマインドチェンジをしたことだった。

この人だって、こんな経験を持っていた。

「20代では、転職どころか最初の職にもつけませんでした。」
 ――齋藤 孝(明治大学教授)

齋藤孝さんは、テレビのコメンテーターとしてもおなじみ。ベストセラーとなった書籍も数多い。ところが実は苦しい時代があった。東京大学で博士課程を終えてから、しばらく定職に就けなかったのだ。

「20代では、転職どころか最初の職にもつけませんでした。これは本当に苦しかった。つらかった。絶対、10倍にしてお返ししてやるって思っていました」

インタビューしたのは、『声に出して読みたい日本語』がベストセラーになった頃。

「『本が売れてよかったですね』などと言われることがありますが、まだまだ勘弁してやらないですよ(笑)。もっともっと仕事をさせてもらわないと、あのときの借りは返せない。そのくらい苦しい時代でした」

齋藤さんはそんな状況になっても、「いつかはやってやるぞ」と、みんなに言いまくっていたという。自分はこんなものではない、という意識も強かった。そう言えるだけの勉強もしていた。質の高さだけでなく、量も追っていた。日本でこれ以上勉強しているヤツはいないだろう、くらいの勉強をした。

「そんな毎日を支えていたのは、こういう教育をいずれやるんだという志だったと思います。サッカー日本代表で、自分のためでなく、日本のために頑張ろうという思いが頑張りにつながると発言した選手がいましたが、あれと同じです」

志やビジョンがあれば、頑張れる。そして志は、人を、仕事をひきつけるのだ。

                ***

たくさんの成功者にインタビューをしていて、いくつもの共通項を感じたが、幸せのバーが高くない、というのもそのひとつだった。小さな喜びにしっかり気づけるだけでなく、それを大きな喜びに変えられる。だから、日々が充実する。みなさん、自分を喜ばせるのが、うまいのだ。

もとより人生は、理不尽で不平等で不合理なものだと認識できていたとしたらどうか。生きていくのはそもそも大変なのである。努力が報われるとも限らない。そう思えば、そのつもりで行動するようになる。自分に納得できるようになる。

世の中に期待しない。その覚悟だけでも、人生は変わる。誰かが幸せにしてくれるわけではない。幸せは、自分が見つけるのだ。

上阪 徹 ブックライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

うえさか とおる / Toru Uesaka

ブックライター。1966年、兵庫県生まれ。早稲田大学商学部卒業。ワールド、リクルート・グループなどを経て、1994年、フリーランスとして独立。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍、Webメディアなどで幅広くインタビューや執筆を手がける。これまでの取材人数は3000人を超える。他の著者の本を取材して書き上げるブックライター作品は100冊以上。2014年より「上阪徹のブックライター塾」を開講している。著書は、『1分で心が震えるプロの言葉100』(東洋経済新報社)、『子どもが面白がる学校を創る』(日経BP)、『成城石井 世界の果てまで、買い付けに。』(自由国民社)など多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事