1駅先のほうが安い?鉄道運賃「珍現象」の数々

割安運賃区間の近隣、1駅で大幅に上がる場合も

逆に、特定運賃のおかげでたった1駅先に行くととんでもない運賃の上がり方をする区間がある。新宿から八王子を経て北八王子まで行く場合だ。

京王線と競合する新宿―八王子間は本来のキロ数(37.1km)だと650円のところ、490円という割安な特定運賃が設定されている。だが、八王子で八高線に乗り換えて1駅、たった3kmの北八王子駅まで行くとなんと770円となり、一気に280円もアップしてしまう。「そんな、北○鉄道や埼○高速鉄道じゃあるまいし……」と思ってしまうが、これは事実である。

一方、中央線で1駅隣の西八王子までは570円だ。これは新宿―西八王子・高尾間は570円という特定運賃があるためだ。また、特定運賃ではない横浜線に乗り換えて1駅の片倉まででも650円だ。

八高線の電車。同線は東京の「電車特定区間」に含まれていない(写真:tarousite/PIXTA)

八高線だけ高いのは不公平に思えるが、これは同線が東京の「電車特定区間」に含まれていないためだ。電車特定区間は東京近郊エリアに設定されており、このエリア内を利用する場合はやや割安な運賃が適用される。横浜線もこの区間に含まれる。だが、八高線は含まれていない。このため、横浜線と比べても割高になってしまうのだ。

ちなみに八王子―北八王子間だけなら190円だ。八高線は本数も少ないので、北八王子まで行く人は乗り換えついでに改札を一旦出ることをおすすめする。これだけで90円浮かすことができる。ただ、逆に北八王子から新宿へ行く場合、八王子は同一ホームでの乗り換えなので、着いた目の前に特快でも停まっていたらそのまま乗るかどうかは悩みどころだ。

京都でも同様のケースが

関西にも同様のケースがある。大阪から京都を経て山科・東福寺へ行く場合だ。大阪から乗って京都で降りれば570円だが、そのまま乗り通して隣の山科まで行ってしまうと860円と一気に290円も上がってしまう! 奈良線に乗り換えて1kmちょっとの東福寺まででも770円で、200円アップだ。

京都からの運賃は、山科までが190円、東福寺までが150円だ。東福寺へは奈良線へ乗り換えるために一度コンコースへ上がる必要があるので、ついでに改札を一旦出れば50円の節約になるが、山科は乗ったまま着いてしまうので一度降りようという気になるかどうか……。それでもそのほうが100円安い。

JR西日本は2019年の春、京都以西の関西エリアからICOCAを利用して山科で降りるとICOCAポイントを乗車運賃の20%分付与するというキャンペーンをやっていた。地下鉄への乗り継ぎに便利といううたい文句だったが、京都駅で降りられるより増収に……とも考えられる。

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