「愛猫を獣医師の誤診で亡くした」飼い主の後悔 なぜペットにもセカンドオピニオンが必要か
Aさんはすぐに動物病院へ連絡し、そのことを伝えましたが、相手は「残念です」と言うばかり。桜ちゃんが亡くなった悲しみと後悔、また納得できない感情で混乱しました。
亡くなった桜ちゃんの陰部からは大量の膿のようなものが出ていました。Aさんはブリーダーと相談して別の動物病院で死因を調べてもらうことにしました。
その結果は「子宮蓄膿症で膿が溜まり過ぎて子宮が破裂したことにより命を落とした」というもの。子宮蓄膿症には開放型と閉鎖型があり、前者は早い段階から陰部から膿がでるので飼い主が見つけやすいのですが、後者はそれがないので気づきにくいのです。しかしながら、エコー検査で獣医師が見落とさなければ、手術などで治療できる疾患でした。
ペットにもセカンドオピニオンが必要な理由
桜ちゃんの死後、Aさんは担当した獣医師が大学を卒業したばかりということを知りました。エコーの機械を上手く動かせなかった焦りから、子宮蓄膿症を見落とした可能性も考えられます。
Aさんは家から近いからとその動物病院を選びましたが、「良い獣医師がいるところを事前に探しておけばよかった」「診察に不安を感じたときに別の病院で見てもらえばよかった」と後悔しました。
一時期は訴訟も考えたそうですが、その後に動物病院と話し合い、和解をしたそうです。しかしながら、桜ちゃんがAさんのもとに戻るわけではなく、2年経ったいまでも憤りと後悔の念があると言います。
筆者は仕事柄、多くの獣医師と話をする機会があります。ある獣医師が言っていた「獣医療の基本は獣医師の技量である」という言葉が印象的でした。
技量とは言い換えれば「訓練により身につけた能力」「スキル」「技」「手なみ」「腕前」などです。技量は、獣医師により雲泥の差があると言います。今回のように医師によっては誤診する可能性もあるので、もし診察内容に疑問を持ったときは、セカンドオピニオンを求めることも必要です。
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