「部下に花を持たせる」上司ほど昇進する理由 次世代リーダーを育てるプロのインテグリティ

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ではどうすればナチュラルチームをつくれるかというと、Thought Leadership(自分の考え方を示すリーダーシップ)、そして全人格的な魅力がないといけないと思います。そしてなんといっても、人を伸ばそうという気持ちがなかったらナチュラルチームはできないでしょう。

部下には今できること以上のことをやらせてみる

先ほど人を育てるには「その人が輝く機会をつくる」ことだと言いましたが、これは簡単なことではありません。チャレンジの場を与えても失敗するかもしれないし、その失敗のリスクは自分が取らなければいけない。

たとえば、あるコンペで自分がプレゼンテーションをやったほうが勝てると思うかもしれない。事実そのとおりかもしれません。しかし自分がずっとやっている限り、一緒に働く部下が今以上に成長することはありません。

そうだとしたら、やらせてみるしかないのです。部下にプレゼンテーションをさせてみる。何かの交渉をさせてみる。もちろん一度目は失敗する可能性は高い。だから「のるかそるか」というときに任せるわけにはいきませんが、取り返しがつく範囲でならあえて失敗させてみるのも手です。

人間は同じことをやらせていると育ちません。常に今できること以上の、少し背伸びしたことをさせる必要があります。そして、それは本当の現場で経験させなければいけない。ですから今までやったことがないこと、社長の前でプレゼンテーションするなどのチャレンジをさせることです。

そしてそのときの成功の手柄は「彼が・彼女が頑張ったからです」と、きちんとその人に花を持たせる。自分が助けたから成功したのだと言いたくなりますが、もちろん、そんなことを言ってはいけません。

若手に手柄を譲り、花を持たせることで、優秀な若手が自分を超えていったり、クライアントが若手のほうを向き始めたりすることもあるかもしれません。

「次から岸田さんは来なくていいから、今度は彼だけでいいよ」
と言われるかもしれない。

そんなときでも、「それはそれでいい」と思えなければなりません。それを言ったのが専務なら、自分は社長のことをケアするようにするとか、ほかの人ができないことをやればいい。
「仕事を奪われる」とか「クライアントを取られてしまう」という恐怖と嫉妬に勝たなければいけない。

■自分を超えそうな人材こそを採用する

このことは採用の段階のときから意識しておくべきです。

若い人を採用するかどうかを社内で検討しているとき、評価の欄に「私の下で使えるイメージがあります」と書く人がいました。こういうとき私は、「君の下で使う奴なんて採らなくていいよ。君が勝てませんという奴を採るんだ」と言いました。

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