空回り社長が知らない「弱みを見せる」絶大な効果 ひと昔前の社長像は威厳あるカリスマだが…
「気持ち次第で経営が上向けば苦労しないよ」と思うかもしれませんが、企業経営でいちばん大切なことは、社長さんご自身がメンタル、すなわち感情を整えることだと考えています。
今回は、「社員には自分の弱みは見せられない」と考え、独りで悩みを抱え込んでしまっていた、50代のスーパーマーケットオーナー社長・新田幸次さん(仮名)の事例をご紹介しましょう。
※なお、事例は実例をベースにしていますが、個人を特定できないように脚色を加えています。
カリスマを目指した昔気質の社長
「もう、社長を辞めようと思っているんです」
スーパーマーケットのオーナー社長として、7店舗を展開する新田社長は、疲れた表情で私にそう言いました。
新田社長の信条は、「社長たるもの、社員に弱いところを見せてはいけない」。
社長は何でも知っていて、何でもできる。そして人格者でなくてはならない、と自分に課して頑張っていました。
ところが、ある日、テレビのビジネス番組を見てショックを受けます。
その番組で紹介されていたある社長は、あっけらかんと、「社員にいろいろなことを教えてもらって、助けてもらっています」と言い放ちました。部下に自分の弱い部分を平気でさらけ出している。それでいて、社員たちから愛され、信頼もされている。
そんな社長の姿を見て、頑張っている自分が馬鹿らしくなってしまったというのです。
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