空回り社長が知らない「弱みを見せる」絶大な効果 ひと昔前の社長像は威厳あるカリスマだが…
すると……。店長たちの目の色が変わって、がぜん、やる気になったというのです。そして、「そんなこと言わないでください! 僕たち、頑張りますから!」と。
今まで、うまくいかなかったのに、本音をさらけ出した途端、ずっと聞きたかった言葉を初めて聞くことができたのです。
普段、弱みを見せない社長の本音は、そのギャップが社員に響きます。
自分の欠点をさらけ出せる人ほど、人から愛されるという法則があります。
周りの人たちは自分を写す鏡。本当の自分を隠していたら、周りも本音で付き合ってくれません。それに、できる自分を演じていても、周りにはバレバレです。
等身大の自分をちゃんと自分自身が認めて、弱い自分を見せられる人が、本当の意味での人格者なのかもしれません。社長かどうかなんて、関係ありません。そもそも、何でもできる人は1人でやればいいのです。
7店だった店舗が、たった3年で37店舗に
かつて、田中角栄さんが大蔵大臣(現在の財務大臣)になったとき、エリート官僚たちの前で、「自分は高等小学校卒で諸君のような専門家ではないが、経験を積んで、いささか仕事のコツは知っている。これから一緒に国家のために仕事をしていくうえでは、お互いの信頼関係が大切だ。大臣室の扉はいつでも開けておく。何でも言ってほしい。上司の許可を取る必要はない。すべての責任はワシが取る」という内容の演説をして、官僚たちの心をわしづかみにしたと聞いたことがあります。
手前みそですが、私も、感情セラピストの養成講座では、メンバーに本音で接してもらうために、率先してダメな自分を正直にさらけ出すようにしています。そのほうがカッコつけずに等身大の私でいられますし、楽しい時間が過ごせます。
店長さんたちがやる気になった新田社長のスーパーが、その後どうなったか?
なんと、7店だった店舗が、たった3年で37店舗にまで増えたそうです!
新田社長は、この躍進について、「あの日、私が本音を伝えたのが大きかった。みんながやる気になってくれたことで、自分は経営に専念できるようになり、すごく楽になりました。毎日、やりがいのある日々です」と笑顔で語ってくださいました。
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