次期総選挙は史上初の任期超え「11月7日」本命に 菅首相の総裁選不出馬で消えた10月17日投開票

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補正予算案の成立には「最低でも1週間は必要」(自民国対)で、成立後の解散となれば衆院任期満了の10月21日ぎりぎりとなる。そうなれば「衆院選投開票は解散から40日以内」との規定から、最も遅い11月28日投開票も選択肢となる。

ただ、政府与党内には「大型の補正予算編成は短期間では困難」(財務省)との声が支配的だ。「衆院選前にあえて野党に攻撃材料を与える必要はない」(自民政策責任者)と意見も多く、衆院選後に召集する特別国会に提出して審議、成立させるとの見方が大勢となっている。

与党内の大勢は11月7日投開票に

11月7日投開票となれば、与党の過半数割れによる政局大混乱とならない限り、11月中旬の特別国会召集が見込まれる。そこで政府が補正予算を提出すれば、11月中に成立させることが可能で、新政権の最重要課題となる来年度予算案の年内編成も実現できる。

新首相の有力候補の1人の岸田氏は、これまでのメディアのインタビューなどで「首相指名を受けられれば、所信表明や代表質問で国民に政権公約をアピールしたうえでの解散が常識的」と繰り返す。これは、11月7日投開票を念頭に置いた発言とみられる。

河野氏らが新首相になった場合の対応はなお不透明だが、「新総裁は臨時国会の召集日直前に会期幅を決める段階で、与党内の大勢に逆らうことは想定しにくい」(自民国対)とみられている。

野党側も、任期満了後の選挙を批判してきただけに、臨時国会での補正予算審議にこだわって、衆院選をさらに遅らせれば「批判がブーメランとして返ってくる」(自民幹部)ことにもなりかねない。

このため、総裁選の帰趨にかかわらず、現状では与野党とも「11.7衆院選」を念頭に選挙準備を進めることになりそうだ。

【2021年9月7日7時35分追記】初出時の記述を上記のように修正いたします。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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